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内容説明
「マイノリティ・マーケティング」とは、マイノリティ自身が、マーケティングの手法を用いて社会を変える、その方法のこと。ろう者を中心に、コミュニケーションバリアフリーを推進するNPO「インフォメーションギャップバスター」は、この手法によって、きこえなくても電話が使える電話リレーサービスの法制化や、東京オリンピック・パラリンピック開閉会式テレビ放送への手話通訳導入に尽力してきた。少人数でもお金がなくても、効率的に社会を変えられる、とっておきの方法。
目次
プロローグ/活動の原点/手話を通じた出会い/社会を変えたいと思ったきっかけ/突き当たった壁/マイノリティ・マーケティングの誕生/本書の狙い/第一章 聴覚障害という「見えない障害」/1 聴覚障害とはどういうものか/もし言葉が通じなかったら……/聴覚障害は情報障害/聴覚障害者に起きる情報格差/格差のもたらす悪影響/2 勉学、労働、生活における不利益/あらゆる場面で健康と幸福が損なわれる/やりたい勉強ができない/さまざまな欠格条項/勉学の情報サポートが不十分/職場での給料格差やキャリア格差/災害時に命や生活を守ることが難しい/障害は社会の側にある/第二章 社会の課題×マーケティング/1 マーケティング手法を取り入れる理由/社会を変えるためのカギ/マーケティングの基本/非営利事業にも「顧客」がいる/社会問題を解決する手法/少人数での活動の限界を突破する/2 事業の方針と内容を決める/マーケティングの使える考え方/事業ターゲットの設定/社会問題を対象に/先行する当事者団体との関係/自助・共助・公助のバランス/IGBの三つのアクション/アドボカシーはなぜ必要か/エンゲージメントはなぜ必要か/リコメンデーションはなぜ必要か/3 マイノリティ・マーケティングの進め方/世論、議員・政府に働きかける/直接的アプローチの進め方/政治家が身近な存在に変わったきっかけ/政策形成の流れを知っておく/間接的アプローチの進め方/マスコミ・メディアを活用する理由/コラムVUCAの時代/第三章 〈変革事例1〉ろう者にも電話を/1 電話リレーサービスとの出会い/電話をかけることができないバリア/電話リレーサービスの登場/自立を促すツール/QOLが向上し、活動範囲が広がる/電話リレーサービスの法制化に向けて/2 マイノリティ・マーケティングのポイント1/(1)ステークホルダーの整理/(2)エンゲージメントの形成/(3)キーパーソンの発掘/(4)刺さるキラーコンテンツの作成/その後の普及啓発の課題/第四章 〈変革事例2〉オリ・パラに手話通訳を/1 開会式の中継に手話がない/「多様性と調和」を掲げたオリ・パラで/公共放送における手話通訳の必要性/建設的対話を求めたロビイング活動/イベントでの初の試み「ろう通訳」の意義/手話通訳に対する多様な意見/Eテレ・総合テレビの役割分担が示す課題/情報アクセシビリティ規格の導入を/2 マイノリティ・マーケティングのポイント2/(1)ステークホルダーの整理/(2)関連団体との連携/(3)刺さるキラーコンテンツの作成/今後への期待/第五章 〈変革事例3〉パブリックコメントにろう者の意見を/1 なぜ難聴児の問題をろう者に尋ねないのか/パブコメに当事者の声が反映されない問題/きこえない・きこえにくい子を持つ親が最初にぶつかる壁/視覚言語の立ち位置/手話は言語である/ろう教育と手話/難聴対策推進議員連盟の提言/厚労省によるパブコメの開始/改善した結果を実効的なものとするために/2 マイノリティ・マーケティングのポイント3/(1)ステークホルダーの整理/(2)キーパーソンへのアプローチ/(3)刺さるキラーコンテンツの作成/今後への期待/第六章 〈対談〉「普通のあなた」とマイノリティが社会を変える──伊藤芳浩×駒崎弘樹(認定NPO法人フローレンス会長)/『政策起業家』がつないだ縁/こども家庭庁への政策提言/当事者であること、そうでないこと/政策の窓を開く/政治家や官僚は「大義」で巻き込む/エビデンスか、エモーションか/一枚岩になれたらいいが……/小さく始めて、広くパクらせる/マーケティングで世論をつくる/NPO活動はマーケティングそのもの/活動を広げ、社会を変えていくために/第七章 マイノリティが生きやすい社会にするためには/1 抑圧をもたらす側への働きかけ/次から次へと生じる社会問題に対して/特権集団の自覚の薄さ/マジョリティ性に気付くためには/2 抑圧が起こる原因/無意識の思い込み「アンコンシャス・バイアス」/思い込みがあることを認識/3 抑圧を引き起こす言動/悪気ない言動が相手を傷付けている/マイクロアグレッションの種類/マイクロアグレッションの例/憎悪のピラミッド/エピローグ/覚悟を決めること/ひとりではなく仲間たちと/謝辞
感想・レビュー
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