内容説明
不条理に覆われた南の島での生活は、ときに明るく、ときにせつない。なぜ沖縄を選んだのか。どんな暮らしが待っていたのか。いまも押しつけられている「分断」。それを前提としながら「沖縄」を消費する私たち。「内地」と沖縄との二拠点生活を綴る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
31
沖縄と東京に仕事場を持つ著者。移住本として手に取るが、その期待は小気味よく裏切られる。沖縄はのんびり静養地ではなくばりばり仕事をこなす地。本書はコロナ前の数年間、著者の「アンダーグラウンド沖縄」(沖縄の売春街の戦後史が題材)の執筆事情を交え、かの地の人々とのゆんたく(おしゃべり)を日記風に綴る。「表層を語ると叱られ、深入りすると火傷」「政治がらみの話しを避ける」。薄々感じていた思いを再確認。よく飲みよく食べる著者、その情報も参考にはなるのだけれど心配…案の定の事態に。身体を労りながらの活躍を祈りたい。2025/03/19
二人娘の父
6
実にうらやましい生活だ。私のような勤め人には、とうていかなわない夢のような生活だ。もちろんその背景にはフリーライターとしての、苦しく孤独なたたかいもあるだろう。でも、それも含めてうらやましい。自分はいつから、こんな「安定」だけを頼りにした生活に慣れてしまったのか。などと本筋とは関係のない嫉妬心に駆られるエッセイ。そんなこと考えてるヒマがあれば、動けよ!ともう一人の自分が叫んでいる。しかし藤井さん、脳出血で大変だったとは知りませんでした。無事でなによりです。2023/12/14
おおきなかぶ
2
著者の政治的思考とは考えを異にしますが、20年以上前に7年近く暮らした沖縄の街の現在を垣間見ることが出来、楽しい一冊でした。2022/08/20
taq
1
今まで読んだ沖縄関係の著者が次々登場して筆者と繋がっている。沖縄を一つの視点で括らずそこで生活している様々な立場の人たちや苦難に満ちた歴史、本土や他の島々との関係など一筋縄ではいかない複雑さを割り切らずに伝えてきた人たち。「はじめての沖縄」「断片的なものの社会学」の岸政彦氏や衝撃を受けた「ヤンキーと地元」の、先日逝去された打越正行氏などなど。これらの人の著作のおかげで沖縄への理解が深まったと同様、同じ視線を共有する筆者の日記も、何気ない日常の中に沖縄の現実が浮かび上がってきてとてもよい。2025/01/10
かみーゆ
1
藤井さん人脈スゴいなあ。「ひとモノガタリ」の半分くらいは飲み友達じゃねえかと思いながら。沖縄の今がリアルに感じられる気がして、楽しい読書でした。何はともあれ健康に気をつけていただきたいですね。ただ明らかな校正ミスが散見されるのはいかがなものか。。ネットの転載だからそのままにしてるってことなのかしら。「校正」でクレジット載ってるけど仕事減るぞ。2022/08/31
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