内容説明
山本五十六は、なぜ「最も勇敢に戦争に反対しながら、自ら対米戦争の火蓋を切らなければならなかった」連合艦隊司令長官となったのか。その実像を戦前戦後の価値観の変遷、山本自身の対米認識を軸に明らかにする。ロンドン海軍軍縮会議の「会議対策私見」など初めて活字化して収録。
序章 アメリカの第二の敵・山本五十六
第一章 長岡から海軍へ
第二章 海軍航空への開眼
第三章 ロンドン海軍軍縮会議
第四章 航空主兵論の展開
第五章 真珠湾への道
終章 ペリーの星条旗
資料編
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
62
著者は防衛大学校教授。本書は山本の評伝というよりは、軍人としての変遷とその原点に焦点を当てようとしたもの。特に反三国同盟の「三羽烏」というイメージとは結びつきにくい、ロンドン海軍軍縮会議の随員としての、ある種「艦隊派」というべき強硬論に注目する。ただし政治的な動きは取らず、軍人としてのわきまえはあったようだ。そのためもあってか、あとは堀悌吉を辞めさせた動きもあってか、「艦隊派」とは異なる方向に進む。不足する戦力を航空で補おうとした。真珠湾攻撃の評価など、物足りない部分もあるが、新しい視角を感じた。2023/05/08
MUNEKAZ
15
山本五十六を「海軍の良識派」と見ることに疑問を呈した一冊。戊辰戦争で朝敵となった故郷・長岡への思いから高じたアメリカへの敵愾心や、ロンドン海軍軍縮条約の随員を務めた際に見せた条約への反対姿勢など、山本の人間的な部分に触れるところは興味深い。いつか来る対米戦のため航空戦力の増強を第一に考え、適当な時期ではない戦争を忌避したのであって、避戦や国際協調を考えていた訳ではないというところか。「良識派」というのも敗戦という結果を知っている後世の人がつけた括りであって、当人は一軍人として仮想敵に備えていたわけだ。2023/06/20
ジュンジュン
13
「最も勇敢に戦争に反対しながら、自ら対米戦争の火蓋を切らなければならなかった」山本五十六の英雄像からすると、ロンドン海軍軍縮会議での「艦隊派」ぶりはアキレス腱。この”不都合な真実”をどう整合させるか?が本書のテーマ。軍”神”から軍”人”へ。生きた時代のうねりの中で、その時々の課題と向き合った一海軍軍人として位置付けようとする。アメリカを仮想敵国とした時代。協調から対立、そして開戦に至る時代。どうアメリカと戦うかという任務に向き合った軍人・山本五十六を描く。2023/04/14
KAN
10
真珠湾奇襲は、軍事的観点を超えて、敗戦の結果から遡り様々に評価されていて、戦後日本のありかたにも深くかかわるだけに、日米関係を論じるのに重要なテーマでもあると思う。その点から、山本五十六の個人的な背景、視点を通してみるときに、ペリー襲来に対する山本自身の価値観が、海軍軍人として米国の力を十分知りながらも、真珠湾に向かわせた強い動機があることを知った。軍人として日米国家関係の軋轢の中で最善の策を取ろうとする結果が、真珠湾をもたらしたということができるのかと思った。2024/02/06
inokori
6
「海軍三羽烏」の一員の軍政面での仕事ぶりを読むことができた。「親米」ではない。なじみはあったろうが「仮想敵国」との交渉に臨む心裡は如何様なものであったかをふと考えた。2023/12/27
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