角川新書<br> 塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

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角川新書
塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

  • 著者名:猪熊律子【著】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • KADOKAWA(2023/03発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040824703

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内容説明

高齢女性受刑者の割合、30余年で10倍に――。罪名の9割は「窃盗」。
お金があっても盗る。出所しても何度も刑務所に戻る。人生の集大成と言える時期を刑務所で過ごす高齢女性らの本音と服役の実態とは?
社会保障問題を追い続けてきたジャーナリストが迫る。

――刑務所に新規に入る受刑者数(男女計)は最近大きく減少しているものの、受刑者全体に占める女性受刑者の割合は戦後から増え続け、今や1割。
中でも伸びが著しいのが65歳以上の女性だ。今では女性受刑者全体の約2割を占める。これは男性受刑者における男性高齢受刑者の割合(約12%)と比べても高い。
(中略)女性の犯罪は「覚醒剤取締法違反」と「窃盗」の二つで8割以上を占める。
これらの罪を犯す受刑者は「これが三度目」「五度目」など、累犯が多い。何度も罪を犯し、繰り返し刑務所に来ることを、現場では「負の回転扉」と呼ぶと聞いた。
実刑を受け、刑務所に来る前には罰金刑や執行猶予など、いくつもの段階があったはずである。それでも繰り返し罪を犯し、「負の回転扉」にはまってしまう女性が多いのは、一体、なぜなのだろう?
(本書「はじめに」より)

本書では高齢女性受刑者の増加を切り口に、「塀の外」が抱える問題や課題をあぶり出す。
さまざまなデータや刑務所の実態のリポートに加え、受刑者たちの生々しい声も収録する。
・70代、入所七度目「トマトやキュウリ1本ぐらいでここに来ちゃった」
・80代、入所三度目「時間が余り過ぎていて、孤独が中心にあった」
・60代、累犯「刑務所は来るとこじゃない。人生を無駄にするところ」
・70代、入所五度目「家族がおらん人は、ここが恋しうなると違うかな」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

298
著者の猪熊律子氏は読売新聞の編集委員。専門領域は社会保障。刑務所は社会の縮図と言われるが、まさにその通りで、ここにも高齢化の波が押し寄せてきている。本書は女性刑務所に密着取材し、そうした問題を中心に考察したもの。女性受刑者の犯罪の2大トップは窃盗(46.7%)と覚醒剤取締法違反(35.7%)であり、傾向としては50歳を境に、それより上が窃盗が圧倒的に多く、それより下が覚醒剤であるらしい。窃盗の大半はいわゆる万引きである。しかも、受刑者のほとんどは累犯であり、刑務所に入るのも何度目かということになる。⇒2025/10/03

fwhd8325

77
かねてから、万引きによる老人の犯罪は報道されていて、刑務所に入っていた方が、幸せなんだと言うことも見聞きしてきました。その是非はともかくとして、この著書で語られてることは、日本が、根本的に真剣に取り組まなかったツケのように感じました。受刑者の方も若い頃に、もっと教えてもらっていたらとの発言もあり、切実に感じます。2023/05/31

ナミのママ

66
2019年1月から読売新聞連載を加筆・編集。受刑者における高齢(65歳以上)女性の割合が増え続けているという。女性受刑者の約2割をしめ、そのうちの9割が窃盗だという。タイトルには「おばあさん」とあるが、女性刑務所を取材したルポ。摂食障害の治療、薬物依存離脱指導、刑務所内ハローワークなどの実態。刑務官、矯正医官の声もある。2022年6月、改正刑法が成立、作業目的が懲罰・懲らしめから立ち直り・更生に比重がうつった。(あらすじ)2023/05/19

Roko

42
彼女たちのほとんどが万引の常習犯です。年金生活でお金に関して不安がある人、ひとり暮らしの人、そして認知症に気がつかない人。刑期を終えて家へ戻っても、寂しい環境が変わるわけではありません。また刑務所に戻ってきてしまう人がかなりいます。そして「ここにいると話し相手もいるし、みんな優しいし、暮らしやすい」と言うのです。家族や近所の人たちとの関りが減って孤立化し、精神的に追い詰められていく。それは若い人たちも同じで、こういう形で犯罪を起こし、刑務所へ入ることになってしまうことの危うさをひしひしと感じました。2023/06/11

syota

37
減少する男性受刑者とは裏腹に増え続ける女性受刑者。概ね50歳を境に、それより上の世代では万引きが、下の世代では覚醒剤が多いとのこと。万引きの背景には老後の貧困、孤立、孤独感があり、覚醒剤の背景には家庭環境(親ガチャ)や虐待、生活苦、男性からの薬物誘惑などが潜んでいる。生きるうえで多くの困難を抱えた人に対し、「自殺するのは弱い人、ホームレスになるのは怠けている人、刑務所に行くのは悪い人」と決めつけるだけでは問題は解決しない。「本人の罪を問うだけでなく、塀の外の社会が問われている部分も大きい」との指摘は重い。2025/10/07

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