内容説明
妻とともにアウシュヴィッツ強制収容所に送られた、ユダヤ系オランダ人医師。絶望の中、彼女への愛だけが生きる希望だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
41
『アンネの日記』に先立つ前年に刊行された本書は、オランダ系ユダヤ人である著者が収容所での日々を克明に記したものだ。あらゆる国籍、人種、犯罪者や政治犯が収容されているなかで、ユダヤ人が最下層の序列に位置づけられていることが分かる。医師と看護師の夫婦であるハンス(エディ)とフリーデルが解放後まで生きながらえたのは、運以上に、生き抜くことへの執着と二人の強い絆があったと思いたい。人体実験が公然と行われた陰にはヨーゼフ・メンゲレの存在を示唆し、収容所での生活や、死の行進から解放前後の混乱が描かれたのも興味深い。2023/07/29
ばんだねいっぺい
33
目を盗んで手紙を渡したり、食べ物や衣類を渡したりのわずかな逢瀬。映画はたくさん見てきたが、文字で読むとまた、なんでこんなことが起きるのだろうとぐるぐる回る。2023/05/30
ののまる
6
復刊されてよかった。アウシュビッツ後の著者の生き方が、またすごい。2023/06/02
かじ
3
もっと全体的に悲壮な空気を想像していたが、思ったよりも「生活」の雰囲気もある。ハンスと妻フリーデルが、どうにかすればほんの少しの時間でも互いの顔を見て、話すことのできる状況にあったということが大きいのだろう。一方で、無慈悲で凄惨な絶滅収容所の現実も存在している。「今と違うことを習ったんだから、そのまま人間でいることもできたはずなんだ。つまり連中の罪はその分重い」。ハンスが生き残れた要因は本当に、運が多くを占めたのかもしれないが、だからこそ我々は今この書を手にすることができる。2023/06/03
りか
2
買おうか悩んでいたところ文庫本になってて即決📕 アウシュビッツを生き延びたユダヤ系オランダ人医師の手記。今まで読んできたアウシュビッツ関連の本は残酷さが際立っていたけれど、比較的読みやすい印象。この夫婦の運に驚きの連続でした🫢2023/05/21
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