内容説明
魔王と勇者の最終決戦中、奥義の激突で生じた時空の歪みが二人もろとも魔王城をのみ込み――飛ばされたのは遥か彼方、現代東京・豊洲のど真ん中!
元の世界に戻ろうとする魔王と勇者。しかし空気中に魔力が無い豊洲では、隣町に引っ越しすらできない。謎の建築物の出現に怒る、地主の孫・結亜に即時撤去を迫られた魔王は、魔王城を9階建てマンションとして経営することを提案し、一ヶ月で満室にすると豪語するが……。
『当マンションにお住いの人間共よ! どうして家賃が未納なのだ!!』
怪しげな物件に集まった住民は、魔王も頭を抱える曲者揃い! 住民の豊かな暮らしのため(?)魔王が奮闘する不動産コメディ、豊洲にて開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真白優樹
8
死闘の果てに魔王城ごと豊洲に来てしまった魔王と勇者が元の世界に帰る為、魔王城をマンションとして運営する物語。―――寂しさと願い、この世界だからこそ気付けた大切なもの。 まずは準備を整えるのに四苦八苦、更に個性的すぎる入居者に頭を抱える。ドタバタコメディの中で魔王と勇者がそれぞれの根源を見つけていく物語であり、ちょっとほっこりする場面もあり中々に面白い物語である。気付けた己の根源、ならば後はそれを果たすだけ。入居者の為に日々奮闘する魔王は、いつか元の世界に帰れるのか。 次巻も須らく期待であるべし。2023/03/11
尚侍
6
面白かった。物語が進むにつれて魔王が状況を受け入れて話が通じるようになっていくという、この手の作品にありがちな展開でしたが、魔王が抱えていたものが最後に明らかになったことで、そこまでの話の流れに矛盾がないことがしっかり描かれていたので、話に説得力があるのが良かったですね。その反面勇者の存在感が今一つ希薄で、最後に帳尻は合ったものの、魔王と対をなす存在という意味ではもう少し動けたのではないかなと思います。全体的に真面目な文体なので、次回作は笑いの要素を減らした作品の方が作風に合うかもしれないですね。2023/03/14
maqiso
5
尖ったキャラたちがコミカルにいがみ合ったり認め合ったりするの良い。クライマックスでも別に協力はしない住民たち笑ってしまう。2023/10/07
中性色
4
日付登録用。感想は後日2023/03/20
しめおん
2
読みたかったものはだいたい揃ってる感じの作品だった。異世界からやってきた魔王がこっちの世界でマンション経営する話。一癖も二癖もある住人とのやりとりや、魔王の心境の変化など、定番ネタは一通り揃ってるからなかなか面白かった。魔王に焦点が当てられてるのもあって、勇者が空気だったのがもったいなかったけど、全体的にバランスよく楽しめた。一応続編が出てもいいような内容だったけど、やっぱりインパクトが弱いからそこは望み薄かなぁ2023/03/24