内容説明
至急、魂を解放せよ!
音楽は人間の喜怒哀楽とは切っても切れない関係にある。楽しい時、哀しい時、人は気持ちを歌に託す。ジャズももちろんそうである。ジャズは特に黒人から発生したもので、死によって奴隷の苦しみから逃れていく自由への讃歌が「黒人霊歌」にこめられている。つまり、魂の解放だ。ジャズがニューオリンズで誕生してから多くのミュージシャンが「魂の解放」の音楽を時代ごとにつくりあげてきたのだ。本書では「魂の解放」「魂の叫び」をテーマに、人生をジャズに捧げたミュージシャンたちをモデルにした12篇の短編推理小説「ジャズメガネの事件簿」を掲載。ジャズ史に隠されたエピソードと謎をジャズ探偵、成瀬涼子が解き明かす。そして、モデルのミュージシャンたちに捧げられたエッセイが各小説ごとに付随されている。それらのテーマはまさにスピノザの名著「エチカ」に通じるものがある。本書で取り上げたミュージシャンは、C・パーカー、O・コールマン、E・ドルフィー、T・モンク、M・デイヴィス、C・テイラー、A・アイラー、守安祥太郎、C・ヘイデン、K・ジャレットなど(順不同)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
華形 満
6
ジャズメガネの事件簿は10年も前から11集もの既出作があるのを初めて知ったが、とにかく本書が初読で、私自身が昨今目覚めたジャズ心を十分に満たしてくれて楽しめた。怪盗ブルーを登場させて無理にミステリー仕立てにせずとも、著者のジャズ蘊蓄に敬服するばかり。主人公の成瀬涼子自身がどちらかと言えばアバンギャルド系ジャズサックス奏者という事もあり、本作に登場するのもドルフィー、アイラー、そしてセシルテイラー等フリージャズ傾倒のストーリー中心で、どう回り道をしてもジャズとは「魂を解放せよ」に帰結するのだろうと妙に納得。2023/03/28
コチ吉
5
いったいどんな内容構成の本なのかと興味深く読んだ。ひとことで言うと、ジャズシーンがフィクションとコラボして、スリリングなフリージャズを演っているというか。時おり現れるブルーとの絡みもいい。2023/05/25
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