ちくま学芸文庫 後鳥羽院 第二版

著者名：丸谷才一【著者】

筑摩書房（2023/02発売）

• ISBN：9784480095329

内容説明

承久の変後、孤絶と憂悶の慰めを日々歌に託し、失意の後半生を隠岐に生きた後鳥羽院。同時代の歌人・藤原定家が最初の近代詩人となることによって実は中世を探していたのに対し、後鳥羽院は最後の古代詩人となることによって近代を超えた―歌人であるうえに『新古今和歌集』で批評家としての偉大さも示す後鳥羽院を、自ら作家でもあり批評家でもある著者が論じた秀抜な日本文学史論。宮廷文化＝“詩の場”を救うことを夢みた天皇歌人のすがたに迫る。1973年度に読売文学賞を受賞した第一版に三篇を加え、巻末に後鳥羽院年譜と詳細な和歌索引を付した増補決定版。

目次

I
歌人としての後鳥羽院
へにける年
宮廷文化と政治と文学
II
しぐれの雲
隠岐を夢みる
王朝和歌とモダニズム
あとがき
第二版あとがき
初出一覧
後鳥羽院年譜（岡野弘彦編）
解説　モダニズム文学という視点　湯川豊
和歌索引