内容説明
酒造りは経験と勘がものを言う世界だ。しかし大学を出たばかりの若者たちが、熟練の杜氏をもうならせる日本酒を造ってしまう事件が起きる。孤立無援、悪戦苦闘、ど根性、そして……。彼らが全国新酒鑑評会でも金賞を連発する謎に迫る、元気が出るノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J D
66
タイトル通り熱い物語だった。福島の酒蔵をメインに日本酒作りに情熱を傾ける人々のお話。本書では全国レベルのお酒がどう生まれ育ったのか丁寧に描かれる。「飛露喜」、「一歩己」、「廣戸川」等普段から親しみのある日本酒達の物語。私は日本酒かワインをメインに飲んでいるので2021年の酒類売上高のうち日本酒は、たった6.4%というのには驚いた。もっと売れていると思っていた。因みにビールが25.6%でトップ。日本酒好きには堪らない一冊。でも、電車旅で飲むワンカップも美味しいと思う私です。2023/06/14
こうせいパパ
13
福島県で日本酒づくりを担う若き杜氏の物語。それぞれが理想の日本酒を追い求めていく様子に夢中で読み進めた。杜氏の多くが、東農大やその近辺の大学で学んだことを初めて知った。また、蔵元同士の繋がりや、それぞれが切磋琢磨して業界全体を盛り上げようとする姿勢に感銘を受けた。福島のお酒といえば、「飛露喜」「廣戸川」「写楽」と有名銘柄が多いが、「一歩己」は知らなかったので是非飲んでみたい。2023/10/20
Tomonori Yonezawa
5
地元図書館▼2023.2.25 第1刷▼八章317頁、福島県の杜氏二人が作った「廣戸川(ひろとがわ)」と「一歩己(いぶき)」を軸に最近の日本酒作りをルポタージュ。朝日新聞福島版に連載された「酒よ」を加筆したもの。▼私は日本酒がメインになってしまった人で、この本に載ってる話も何かでちょこちょこ読んだか聞いたかしてます。この本はノンフィクションなのでしょうが「作りもの臭さ・嘘くささ」を感じる本でした。新聞連載だと良くても本だとちょっとな出来。▼書き手が「こう読ませよう」との意識が過ぎるとせっかくの素材が燻る。2023/07/08
kaorin
5
福島県を中心に東北の酒蔵を継いだ酒造りもする社長たちのルポ。日本酒消費量の減少、震災の風評被害、コロナ禍。様々な壁が立ちはだかるが、真摯に情熱的に酒造りに取り組む姿に胸打たれる。モノづくりニッポン。しかし、相次ぐ改ざんや偽装のニュースにやるせなさを感じるていた、この本を読むと胸がスカッとした。時代の流れを読む必要はあるけれど、はやりすたりにのまれてしまうことなく、どうか真摯に作って欲しいな、これからも。個人的には、家庭料理、居酒屋料理に合うような飽きの来ないお酒が好きです。晩酌したくなってきた!2023/06/14
vonnel_g
5
福島の若き蔵元杜氏(刀自が語源という話に驚く)たちの挑戦から始まる、福島の日本酒の過去と歴史、今、未来。福島は米がうまいので酒もいいものができるのだと思っていたけれど、ことはそんなに単純ではなかった。日本酒に関する基本知識も読めるのがとてもいい。酵母の進化など読むにつけ、酒造りも勘よりもテクノロジーの時代なのだなあとしみじみ感じる。2023/04/08
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