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内容説明
野村はあれだけの大監督でありながら、中学野球でも指揮を執った異色の経歴を持つ。
その名を「港東ムース」という。そして、このチームは途轍もなく強かった。
未だ破られていない伝説の全国4連覇。その裏には、野村と少年たちの濃密な日々があった。
さらに、このチームには古田敦也よりも先に野村の薫陶を受けた一人の捕手がいた。
野村と「0番弟子」の知られざる物語。
[目次]
序章 飾られなかったユニフォーム
第一章 野村克也の下に集いし少年たち
第二章 「ID野球」を少年たちに
第三章 少年たちに伝授する「野村の教え」
第四章 野村克也の胴上げ
第五章 日本野球、世界の頂点に
第六章 「野村監督は、僕のお父さんのような人です」
第七章 スワローズ2連覇、ムース4連覇!
第八章 港東ムース、無念の消滅─
終章 港東ムースが遺したもの
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
21
ヤクルト監督就任前の数年間にてノムさんが率いていたのが「港東ムース」という少年野球チームで、当時の教え子の人生を主軸にその歴史とノムさんらチームに関わった人物の動向を書いた本。ヤクルトにおける飯田のコンバートや高津のアンダースロー転向は港東ムース時代にも行われており、走塁時の駆け引き等のID野球も伝授され実際に黄金期を築き上げる等ノムさん絡みでは今までに無い視点があった。2023/12/26
hideto
11
これまで、ほとんどの著作を読んできた長谷川晶一さんの新作ということで、期待値高めで読み始め。名将野村克也がスワローズの監督に就任する前、まさか少年野球チームの監督をしていたことに驚き。彼の采配により強豪チームへとなっていく港東ムース。その一方で妻野村沙知代の横暴も余すところなく書かれているのは、公平性があってよかったです。期待値通りのとてもいい作品でしたが、あとがきにて、先に「砂まみれの名将」が発売されたため、変更を余儀なくされたとありました。まさかネタが被ってしまうとは、大変だったと思います。2023/04/02
ちび太
10
野村克也氏が中学生を指導していた時期があることは知っていたが、詳細まで知らなかった。選手の適性を見極めコンバートを行なったり、キャッチャーを育てたり。その後ヤクルトスワローズをはじめとするプロ野球での監督人生の原点が見えてくる。「無視、賞賛、避難」を口にする野村氏が中学生は褒めて育てたというのが興味深い。オーナーだった妻の野村沙知代氏による行き過ぎた指導があったこともこのチームの一面。必ずしも真っ直ぐ道でないところも野村克也氏らしい。2025/05/24
itchie
10
息子・カツノリが所属していたシニアチームが空中分解したことで少年野球「港東ムース」の監督になったノムさん。オーナーはサッチー、2代目監督は義理の息子・団野村。少年野球という場だからこそ際立つノムさんのID野球、抜擢力、育成力の凄さもさることながら、何かといかがわしい野村ファミリーが総登場して、しかも家族の絆がいい方向に作用しているさまも読みどころ。現場介入で悪名高いサッチーが、チームのオーナーとして存分にコミットしたからこその栄光でもある。最後は、悲しい結末になってしまうが……。2024/09/18
氷菓子
10
息子克則さんが所属していた少年野球チームの分裂騒動で他の保護者達から懇願されて港東ムースを創設し、監督となる。ヤクルト監督就任前の約2年間、他の仕事をセーブしてまでこのチームに尽くした献身ぶりに、やはりノムさんは例え金銭的にマイナスとなってでも野球が好きだったのだと改めて感動。プロ相手と違って褒めて伸ばしつつ、教える野球理論はプロにも通用する内容。まだ鉄拳制裁がよしとされる時代にこの方法での成功だから余計に価値がある。古田、飯田、高津を彷彿とさせる少年達が存在したことも、ヤクルトファンとしては嬉しかった。2023/06/12