ギニア湾の悪魔――キリスト教系新宗教をめぐる情動と憑依の民族誌

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ギニア湾の悪魔――キリスト教系新宗教をめぐる情動と憑依の民族誌

  • 著者名:村津蘭【著】
  • 価格 ¥5,280(本体¥4,800)
  • 世界思想社(2023/02発売)
  • ポイント 48pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784790717799

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内容説明

神と悪魔の憑依は、いかにして現実の〈もの〉になるのか?
――苦難を癒し、興隆するアフリカの新宗教。その核心は、モノや情動、環境の中に現れる霊的存在にある。写真や映像、エッセイを交え、霊と呼応する人々の生に迫る、マルチモーダル人類学。

 序章より
「悪魔」とは、多くの場合、アフリカの在来の神格や霊的存在、または妖術師である。……
人々に憑依してその姿を現し、現実へと介入してくる。その中で人々の身体は、悲鳴を上げ、汗を散らし、目に見えない鞭で打たれ、涙を流す。手足を震わせ、身体を反らして、叫び、倒れ込む。立って走り、暴れつくした後に、床に寝そべり、うめき声を上げる。
それは、「人々は悪魔や妖術師を信じている」という記述にはとても収まらない、情動や身体など様々なものが絡まり合う中で起こっている出来事だ。神や悪魔といった人ならざるものたちが、いかに人々の間に立ち現れ、複雑に呼応しながら生が紡がれるのか。本書は、出来事が生起する場を起点として、このような問いを探究していくものである。

※本電子書籍にはカラー写真が含まれます。

目次

─―鳥になる──
序章 霊の現れと情動
1 アフリカにおけるキリスト教の背景
2 霊的存在を意味づける
3 霊が生成するところへ
――雨の日の会話――
1章 ベナンの宗教と霊的領域
1 調査地ベナン
2 ベナンの歴史と宗教
3 霊的な諸力
4 呪術と妖術
――丘に登る――
2章 バナメー教会の神と悪魔の現れ
1 悪魔の現れ
2 神の現れ
3 「証言」という現れ
――退屈で重要な――
3章 改宗の諸相
1 バナメー教会の信者たち
2 改宗の動機
3 「間」に生じる説得
――スパイと民族誌――
4章 憑依による変容
1 デリヴァランスの概要
2 デリヴァランスの特性
3 憑依霊の正体と憑座
――声がつかむ――
5章 憑依のエンスキルメント
1 憑依と身体
2 絡まり合いとしての霊の現れ
3 憑依される者のエンスキルメント
4 取り巻く者と霊のエンスキルメント
――送られる病い――
6章 「妖術の病い」の治癒過程
1 病いの〈もの〉化
2 バナメー教会の治療の特徴
――トカゲの叫び――
終章 呼応の中の霊、病い、民族誌

あとがき
参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

61
ベナンの呪術(ブードゥーの元)とキリスト教系新宗教バナメー教会のフィールドワーク。 あ、参考文献に大学の後輩の論文が出てる。 偶々友達に今これ読んでる、と見せたら、今度ベナンに引っ越すとのことでこれは本当に驚いた2023/06/20

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