内容説明
〈大きな悲しみが、私を守ってくれる〉
『ショウコの微笑』<a href= https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=949 >『わたしに無害なひと』</a>の気鋭のベストセラー作家、初の長編小説
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夫の不倫で結婚生活に終止符を打ち、ソウルでの暮らしを清算した私は、九歳の夏休みに祖母と楽しい日々を過ごした思い出の地ヒリョンに向かう。
絶縁状態にあった祖母と二十二年ぶりに思いがけなく再会を果たすと、それまで知ることのなかった家族の歴史が明らかになる……。
家父長制に翻弄されながらも植民地支配や戦争という動乱の時代を生き抜いた曾祖母や祖母、そして母、私へとつながる、温かく強靱な女性たちの百年の物語。
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日が昇る前に大切なあの人に伝えておきたいことがあった。
明るくなったら、言えなくなりそうだから……。
2021年〈書店員が選ぶ“今年の小説”〉、第29回大山文学賞受賞。
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【目次】
■明るい夜
■あとがき
■日本の読者の皆さんへ
■訳者あとがき
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「ものがたりを読む」ことの楽しさや喜びをお届けする新シリーズ〈ものがたりはやさし〉第1弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
70
【人を信じ、愛し、失望することはあっても絶望はしない】動乱の時代を家父長制に翻弄され生き抜いた、曾祖母・祖母・母・娘4代の歴史を綴る物語。傷心のジヨンは、22年ぶりに思いがけなく祖母と再会する――。著者初の長編小説である本書は韓国で2021年に、翻訳は22年刊。原書の帯に作家のオ・ジョンヒは、「悲しみを癒し、包みこんでくれる、より大きな悲しみの力」と。強く頷く。「あとがき」で、<ジヨンがヒリョンに到着して少しずつ回復する物語を書きたかったのだが、そうするためには彼女が自身の傷と向き合う必要があった>と。⇒2026/04/28
星落秋風五丈原
33
よしながふみの『愛すべき娘たち』で、美貌を鼻にかける学友を見てきた母親が、自分の娘はああいう性格にさせまいと、わざと容貌をけなして言い続けたという話が出てくる。しかし娘は戒めと取らず、娘には「可愛い」と言い続けて育てる。成長するにつれ、親の欠点を見抜いた子供が、いざ親となった時に自分だけはそうなるまいとする。うまくいけば順繰りにいい母娘関係が築けていくはずなのに、そうはならない。本編でも、母のバックグラウンドを知らない娘が母の育て方に反発し、家というより母から逃れたくて結婚を選ぶ。2023/02/28
ケイティ
30
引き込まれて一気読み。とてもよかった。離婚して地方へ移住したジヨンは、絶縁状態だった祖母と再会し、曾祖母から現在まで、母娘4世代の歴史が紐解かれていく。日本統治や戦時下で緊張を強いられた日々、差別、家父長制など、つらく不自由な生活を支えあう友情に胸を打たれた。どの世代もそれぞれの生きづらさは抱えている。「自分が我慢していればいい」と期待や希望を持たないことで生き延びてきた彼女、そして私たち。祖母とジヨンが語り合う時間、空気感が切なくもあたたかく、崩壊と再生を繰り返す壮大ながらも等身大のドラマでした。2023/03/29
かもめ通信
26
根強い身分差別、家父長制、植民地支配、朝鮮戦争といった朝鮮近代史を背景にした4世代にわたる家族の物語だ。愛と友情の物語でもある。疲れ果て傷ついた女たちの傷を癒やす物語でもあり、母娘の再生の物語でもある。以前、『わたしに無害なひと』を読んだ時にも感じたことだが、チェ・ウニョンさんの作品にはあちこちに心に残るセンテンスがあって、そうした言葉に出くわすたびに、思わず書き写しておきたくなるのだけれど、今回は先行きが気になって、途中で頁をめくる手を止めることができず一気に読んだ。2023/03/03
りつこ
21
夫の浮気で離婚したジヨンが移り住んだヒリョンで疎遠になっていた祖母と再会し、祖母から曾祖母、祖母、母の人生を聞き、自分の傷とも向き合う。静かな語り口だが語られる物語は壮絶で差別と暴力、理不尽に満ちている。そんな中でも支え合い思い合い必死に生き抜いた人たちの強さと優しさに何度も涙した。母親と自分自身を許すことはこんなにも難しい…。決定的な言葉を投げつけてしまうのは愛されたい、許されたい一心なのだ。初めて読む作家さんかと思ったら翻訳されてる本は既に全部読んでいた。号泣本なので外では読めない。2025/06/27




