創元ライブラリ<br> シャーロック・ホームズの誤謬 『バスカヴィル家の犬』再考

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創元ライブラリ
シャーロック・ホームズの誤謬 『バスカヴィル家の犬』再考

  • 著者名:ピエール・バイヤール【著】/平岡敦【訳】
  • 価格 ¥1,200(本体¥1,091)
  • 東京創元社(2023/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488070861

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内容説明

ホームズの推理は間違っている! 『アクロイド殺害事件』におけるポワロの推理に異を唱え、真相を暴いて話題を呼んだ推理批評家バイヤール。フランス論壇の雄たる彼が、今回はシャーロック・ホームズに挑んだ。長編『バスカヴィル家の犬』のホームズ推理の疑問点・矛盾点を鋭く指摘し、真犯人を炙り出す。/【目次】登場人物/ダートムアの荒地/捜査/第一章 ロンドンにて/第二章 荒地(ムーア)で/第三章 ホームズの手法/第四章 不完全性の原理/再捜査/第一章 推理批評とは何か?/第二章 複数の語り/第三章 犬のための口頭弁論/第四章 ステープルトンの弁護/幻想性/第一章 シャーロック・ホームズは存在するのか?/第二章 テクストへの移住者/第三章 テクストからの移住者/第四章 ホームズ・コンプレックス/現実/第一章 文学による殺人/第二章 見えない死/第三章 真実/第四章 そして真実のみを/バスカヴィル家の犬/訳者あとがき/解説=杉江松恋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

115
文芸批評では純粋に作品のテクストのみを対象にするものと、そのテクストが成立するまでの変遷を作家の伝記や草稿から読み解くものとがある。フランスで生まれた後者の手法をフランス人学者が『バスカヴィル家の犬』にあてはめ、自分の創造したホームズを抹殺するほど嫌っていたドイルが、読者や出版社の要求で復活させねばならなかった状況が「ホームズが見事に事件を解決したと見えて、実際は誤謬と失敗を重ね真犯人を逃した」という文学的虚構を生んだと分析する。頷くしかない鋭い指摘もあり、シャーロッキアンなら真摯に受け止めるべきだろう。2023/04/01

KAZOO

108
ジャーロッキアンの私としてはかなり面白く読むことができました。どちらかというと推理小説の関する論文的な色合いが濃いと思います。コナン・ドイルのこの原作やほかのホームズ作品を読んでいない人は手に取ることがほとんどない本だと思います。最近のホームズ関連のものはパロディが多かったのですがこのような本格的な評論に会えて楽しめました。2023/05/01

Die-Go

43
図書館本。シャーロック・ホームズの数々の事件の中でも有数の人気を誇る『バスカヴィル家の犬』。ホームズの推理の矛盾点、真犯人の秘密を、独自の視点から再考する。本編の方が簡単に感じられてしまうほどに、なかなか深掘りしている。★★★★☆2024/01/14

鐵太郎

22
「バスカヴィル家の犬」というホームズ譚に隠された ①事件としての不可解さとそこから導き出される(バイヤールの言う)真犯人、②事件のなかに見られるコナン・ドイルの憎悪、そして③歴史の彼方で悲劇の最期を遂げた名もなき娘の怨念。──なるほど、こんな考え方もありか。こんな読み解き方もありか。みごとなまでの逆転の発想。面白いねぇ。 2023/11/08

'75s'85s

20
この本を読んだら、映画の「バスカヴィル家の犬」のホームズも鑑賞者も騙して、完全犯罪を完成させたのは、小泉孝太郎さんの役かもって、ありかも・・・。でした。(笑)本家の作者のコナン・ドイル氏も、そういう設定で書いたようにもとれる文章も指摘されてたり、結構完成度が高かったです。こういう珍しい本は大切にしたい!著者の、パリ第8大学教授って経歴もかっこいいし。これで著者の3冊の本は一応読んだから、再読していこう!と思った今日この頃でした。2023/10/19

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