歴史を変えた決断の瞬間

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歴史を変えた決断の瞬間

  • 著者名:会田雄次
  • 価格 ¥610(本体¥555)
  • PHP研究所(2023/02発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569661933

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内容説明

人の一生に何度か人生を決定付ける瞬間があるように、一国の歴史にもその国の命運を左右する決定的瞬間がある。本書は、今日の日本の根本的特徴を規定した歴史的条件、そしてそれを演じた人物の決定的役割について、解き明かしたものである。日本の決定的瞬間は、九つの時代の十人の決断に到達すると著者は結論する。それらの人物とは製鉄業で戦後日本のあり方を変えた元川崎製鉄社長西山弥太郎、五度陸相を務めた軍人宇垣一成、欧米列強の征服から日本を守った行動的知識人勝海舟、廻船業で近代社会を拓いた高田屋嘉兵衛、元禄を代表する芸術家尾形光琳、嫉妬から結果として閉塞日本を作った北政所、唯物合理主義者織田信長、バサラの徒佐々木道誉・高師直、初の武家政権を築いた平清盛、以上の十人であり、現代から遡る形で解説する。政治、経済、文化史といった幅広い知識と深い人間洞察力、さらには世界史の巨視的な見地から決定的瞬間を考察した名著。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やっち@カープ女子

37
良い方向に歴史を変える存在となった人物9人の章で成立っている。歴史が一人の決断により変わって行くことを示した一冊。この瞬間を感じる事が出来る。2015/11/07

mawaji

6
高田馬場芳林堂古書店で童門冬二「新撰組物語と史蹟」購入時に新撰組ゆかりの人だったかなと思って手にとって巻末を見たら解説文が童門冬二だったので一緒に購入。三百年続いた徳川政権の影響で「ゆえなき社会的差別や民族差別、社会の各組織における新参者いびり、抜け駆け主義、陰口ばやりのような、内部に敵を求めるという、近代国家の国民としては、ちょっと考えられないような社会的歪みと暗い民族性というものを私たちはなお持ち続けている」という一文は、34年前に書かれたとは思えないくらい今の世情に通じるものがあるように思えました。2018/06/18

MIRACLE

2
日本という国家も、いくつかの歴史的な条件が存在していて、日本独自のあり方を規定している。本書は、その歴史的な条件の形成にたいして、決定的な役割を果たした十人の人物について、現代から過去へと倒叙形式で、論じている(1984年6月刊行)。前置きが長いが、そこには鋭い洞察が、いくつもあった。おすすめは、勝海舟。また、高田屋嘉兵衛の話は、感動的だった。2014/09/17

bakayan

1
先に読んだ著者の端々にある戦中派の鋭い文章に惹かれ、30年前の本書に辿り着く;D 戦後史の客観的な分析は、戦後派の著作が束になっても敵わない、未だ正しく浸透できていないパラダイムに圧倒される「進駐軍の支配というものは、勝利者側の多くに甚だ主観的ではあるが、一種の使命感とも言うべき善意がみなぎっていた(中略)このあり方に、戦後日本の誠に奇妙な社会が形作られる(中略)しかし私たちは、まだ、現在でもそういった占領行政の特異性を本当に理解するには至っていない(中略)すべては占領後遺症なのだ」2015/08/31

貴人

1
ツヴァイクの「星の時間」的な作品かと思ったが、あまり決断の瞬間というより時代や文化の流れ上の興味深い人々の列伝。一人の人物の個性というより流れの上で見るという視点の誠実さと、短い中でまとめる手腕は見事の一言。信長や、嘉兵衛は知っていたが、尾形光琳や宇垣さんあたりは新鮮な分析で実にグッドでした、おススメです。2014/11/02

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