内容説明
哲学するとは自分で考えることである。しかしどのように学べばよいのか。道徳、愛、自由、叡智など12のテーマからその道へと誘う、現代フランスを代表する哲学者による手ほどき。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えぬざき
1
12の哲学的トピックが先駆者の名言を引用しつつ平易な言葉で語られており、楽しく読めた。最初の道徳のくだりからして「きみが透明で無敵であったとしても、きみがみずからしたがおうとするもろもろの規則の全体が、きみの道徳だ」なんて、少し詩的な語り口だが明快である。全体にわたって道徳⇔政治、持続⇔時間、ソフィア⇔プロネーシスなどの対立かつ併存事項をもとに分析していくという手法が多く取られ、これも分かりやすかった。引用中の言葉で一番好きなのは、モンテーニュの「それが彼だったから、それが私だったから」。知識が広がった。2023/05/31
ミヤ
1
先人たちの哲学をもとに様々なカテゴリーから哲学の本質を読み解く入門書的書物。 入門的といえども理論は難解で迷子にならないよう頑張りました。作者は初めと終わりに言ったように哲学とは学問ながらもそれを学ぶだけではなく、実践することが肝要であること。まさに鈴木大拙が幾度も言っている禅のエッセンスに通ずるものがある。 また哲学とは別のもの『道徳』にも深く言及しており、人間が持つプリミティブな善性がまさに人を人たらしめるという。確かに人間突き詰めれば先天的な道徳によって世界は保たれているようにも思える。2023/02/02
あさみみ
0
哲学は無くても生きていく事が出来る。でも、どう生きていくか考える事が哲学であるならば、人は知らず知らずに哲学しているのだろう。2023/02/15