内容説明
なぜ私たちは周りの人が欲しがるものを欲してしまうのか。社会学者ルネ・ジラールは欲望の法則を暴き、それを体系化した。複数の企業を経営する著者が、ジラールの理論を解説しながらマーケティングの心得を説くとともに、盲目的な欲求から離れる術を明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takehiro
14
〜が欲しい〜がしたいという気持ちは自分の内面から来ているのではなく、他人の模倣であるという説。他者の欲望に振り回されるのではなく、自己理解を深めて本当の自分の欲望を満たすことが大事なのかなと思いました。2023/10/10
三井剛一
13
欲望は自発的に内から湧き上がるものではなく、他人の望んでいるものを模倣しているに過ぎない。正しく、「隣の芝生は青く見える」。本書を読んでも、自分自身、模倣してることに気づかないことが多いと思う。 欲望の模倣のサイクルから抜け出さねばならない。同じものを望んでいる先には、醜い争いしか起きない。争いから降りる。 自分が心の底から充足できるものは何か。 時間がかかっても考えねばならない。2023/08/04
雪駄
10
以前に「オレはなぜBMWに乗りたいんだろう」とマジメに考えたことがあった。結論は自己顕示欲が要因の大部分を占めると思えたのでかなり自己嫌悪したことを思い出した。この本を読みながら感じたのは、大変な宿題に手を付けねばならなくなったというものだった。どうしたら周囲を取り巻く浅い欲に惑わされず、深い欲望に人生を費やすことができるか。その為には自分と向き合う時間がもっと必要だ。オレがどんな人間か。また、その欲望は人生を費やすに値するか。考える時間はあるようでない。これを意味のある読書にしたいと思った。2023/11/28
yc
9
初見だと4割くらいしか読めなかったというのが感想。もう一度読む。欲望には濃淡があり、薄い欲望とは他人の模倣であるというのが鋭いと思った。マズローの否定なども斬新であり、本人の実体験をベースにしているところが学者っぽくなくていいと思った。2023/08/06
ざっく
8
面白いけど、難解というか、曖昧だったかな。自分の中で消化しきれていない部分が多い。薄い欲望は、他人の模倣で欲を叶えてもあまり満たされない。濃い欲望は、自分自身の内側から湧き上がるもの。案外、濃い欲望のほうが、手に入れやすく満たしやすいのかな。競争のサイクルについて批判的に書かれていたが、戦争によって人類は発展してきたことも事実で、負のサイクルが持つ力も侮れない。書かれている内容は、他の本にもよくあるような内容だったかもしれない。2023/05/10