内容説明
ゆえあって藩を致仕した左平次は、不慮の事故で最愛の娘を失ってしまう。悲しみに暮れる左平次は、訳ありの老女の導きで長屋の大家を始めた。入居したのは、三年暮らせば願いが叶うと噂される山伏町の「三年長屋」だった。はじめは「お武家様」と軽んじられる左平次だったが、持ち前のお節介さを武器に、住人たちとの間に強い絆を築いていく。頼りになる大家と、くせ者住人たちとの心温まる関わりを描く、笑って泣ける人情小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
62
お節介な元武士の左平次ははぐれた娘を探しあぐねて呆然としているときにお梅に三年長屋の差配の仕事を薦められる。黒文字や房楊枝を売る店の傍ら差し出がましいお節介をやく左平次の差配の仕事で起きるアレコレを描いた長屋モノ。三年で願いが叶うという評判の長屋なのであまり困った住人は登場しないのが長屋物としては珍しいかもしれない。2023/02/24
moonlight
28
3年住んだら願いが叶うといわれている“三年長屋”、差配は元武士の左平次。曲がったことが嫌いで困った人は放っておけない性分。店子のために、家族の仲を取り持ったり、捨子の世話に恋の橋渡し、盗人探しと大忙し。差配の組合の不正を正すためには個性豊かな店子達と協力して大掛かりな作戦を練る。左平次自身も家主の老女も店子達もそれぞれに傷を抱えながらも、真摯に向き合い、自ら幸せを手繰り寄せるのがとても良かった。2025/07/21
陽ちゃん
10
三年住めば願いが叶うと噂の「三年長屋」の差配は元武士の左平次。性分のお節介をやいて店子たちに迷惑がられながらも次第に認められ、頼られるように左平次自身も祭りで娘を見失い、今も探していますが、家主のお梅も、店子たちもそれぞれ訳ありですが、なんだかんだと解決しちゃうのが強いなと感心しました。もちろん、本人たちも願いが叶うよう努力したからですが。2023/04/09
でこ
3
人は色々背負って生きているのに、同じ長屋に住むから助け合える、差配さんの奔走も知恵もお節介も、痛快。2024/06/02
おかめ
2
ハッピーエンド。憎らしいつけ髷(そんなのあったのね)と鬼嶋。その言動を逆手に取った盗人問題の解決方法はスッキリ。子どもだからって安易に許さないところも偉い。さすが元武士というところか。2023/11/19
-
- 電子書籍
- スパイ教室【ノベル分冊版】 19 富士…
-
- 電子書籍
- Ribbon 8 Vコミ
-
- 電子書籍
- 【全1-5セット】訳アリおじ様の幼妻に…
-
- 電子書籍
- ヘアヌードの誕生 芸術と猥褻のはざまで…
-
- 電子書籍
- 刃牙道 22 少年チャンピオン・コミッ…