内容説明
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人気シリーズ「乙女の本棚」第30弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・今井キラのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
ああ、私は一体、何を待っているのでしょう。
毎日、毎日、駅にまだ見ぬ人を迎えにいく女性。今日も彼女は、駅の冷いベンチに坐っている。
太宰治の名作が、他の追随を許さない独自の空気感で、世界中のロリータ少女たちから支持され続け、本シリーズでは太宰治『女生徒』を担当する大人気イラストレーター・今井キラによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅう
108
若い女性が、名も知れぬ駅で誰かを待っている。誰かが誰なのかは誰にも分からない。おそらく、太宰本人にも分からないのではないか。短い小説の中にも太宰節は健在で、「わたしは人間をきらいです。(中略)死にたくなります」などの記述がある。しかし、暗いばかりではない。太宰特有のユーモアも活きている。この小説は川上未映子さんのエッセイ集『世界クッキー』の中で取り上げられていて、それきっかけで読んだ。これは彼女が初めて読んだ太宰の小説で、「これは忘れられないな」と思ったそう。私にとっても忘れられない小説になった。2025/11/04
アキ
92
太宰治の短編集「女性」1942年6月が初出とある。小さい駅で20歳の女性が毎日待っている。何を待っているのか本人もわからない。あなたでも恋人でもお友達でもお金でもない。もっとなごやかな、ぱっと明るい、素晴らしいもの。大戦争が始まって、身を粉にして働いて、お役に立ちたいと口にして、でも心は違うのかもしれない。乙女の本棚に相応しいメルヘンチックなイラストがマッチしているが、大東亜戦争の時代背景を考えると、太宰の時代への風刺と捉えられなくはない。いかにも太宰という短編ですね。2025/04/08
レモングラス
92
以前に小説だけで読んだ時とは少し感じが違っていて、イラストの影響は思ったより大きいのを感じました。少し警戒して読む気分で「待つ」というのは怖いことじゃないかと。不思議な感覚の読書でした。このシリーズ、げみさんのがお気に入りですが、いろいろ読んでみたいです。2024/06/11
bura
84
図書館で表紙に惹かれて。乙女の本棚シリーズというらしい。太宰治の名作と人気イラストレーターのコラボである。その中の「待つ」だった。戦中に駅のベンチで待ち続ける女性の独白で構成された短編に、そのイメージで描かれた今井キラのイラストが何とも不思議な味わいをみせる。調べると他にも色々なイラストレーターとのコラボで全30巻あった。心を休めたいときに又、借りてみよう。2023/04/12
J D
56
このシリーズは、きれいでとても美しい。どんどん読んで行こう!2024/05/17




