街に躍ねる

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街に躍ねる

  • ISBN:9784591176948

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内容説明

小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると普通じゃないらしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。温かさと切なさが胸を打つ、人と人との関わりの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぼっちゃん

57
【第11回ポプラ小説新人賞特別賞受賞作】コミュニケーションが苦手で不登校の高校生の兄と小学5年生の弟との物語。弟の友達のシンジュがいい奴だった。シンジュが言ったおばあちゃんの言葉「人目を気にしすぎたら、気にされないように行動する。そうしたら、自分が無くなって透明になってしまう」言葉が刺さった。2023/05/07

ぶんこ

49
高校生の兄達が不登校になっているが、家では毎日絵を描いている。物知りで絵が上手な兄を尊敬している小学生の弟晶。同級生の権ちゃんの「大変だね」の言葉に胸詰まり、同じく同級生のシンジュのさりげなさにもいい意味で胸が詰まりました。普通って何?突然部屋の中で走り出してしまう兄。大家さんが大声で攻めたてるシーンでは、私も隠れたくなりました。多分それがきっかけで兄は秋田の実父の元へ。達と晶は父親が違っていて、兄と母が別に住むことになったと聞いた晶が「四人で住むのは何年何ヶ月何日後?」と問いただす場面では思わず涙。2023/04/12

れっつ

49
すごく良かった!達の弟・晶の語りの章も、母の語りの章も、それぞれの感じたこと、心の揺らぎなどが細やかに素直に表現されていて、その自然体な姿が可愛くて、そしてじわじわと心に沁みてほろり…。独自世界を生きる達を取り巻く"子と親"の物語。どんな子でも、子どもには子どもの世界や大人が介入できない領域があって、それが守られることが、自分らしい成長のカギではないだろうか。特徴ある我が子をただ受け入れることは本当に難しく、親の役目や尽きない心配との葛藤は切なくて痛い。でも達を通して繋がる家族は温かかった。心に響く1冊。2023/02/18

papapapapal

44
元気いっぱい5年生の晶。絵が上手くて何でも知ってる高1の兄のことが大好き。だけど兄が学校に行っていなかったり意味もなく走り回ったりする事が少し恥ずかしくて、同級生たちにも説明できない。 家庭内の「何となく理解はしているけれど、きちんと説明された訳ではない事情」と向き合う晶がいじらしくて等身大。…こういう事、実際よくあるよね。 第2章は母親目線。ここにもう少し深みが欲しかったかも。2023/04/21

よっち

43
仲良し兄弟の小学生五年生の晶と高校生の達。晶にとって誰よりも尊敬できる兄なのに、他の人から見ると「普通じゃない」らしい達と交わした言葉を大切に生きてゆく家族小説。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれて、けれどコミュニケーションが苦手で不登校、集中すると走り出してしまう癖がある達。同級生たちや大家さんとの会話を通じて「普通」とは何か、初めて意識する世間に晶が戸惑い葛藤して、さらに意外な事実や思わぬ展開にも直面しましたが、それでも晶が兄を大切に思う気持ちは揺るがなくて、とても優しい家族の物語でした。2023/03/20

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