内容説明
ワクチンレタス、人工肉、ゲノム編集、デジタル農業……
あなたの食べ物は知らぬ間に入れ替わっている!
ベストセラー『デジタル・ファシズム』の著者が暴く〈フードテック・ファシズム〉
・もう牛は殺さない「人工肉バーガー」
・粉ミルクはもう古い! 赤ちゃんは培養母乳で
・「ふるさと納税」デビューしたゲノム編集魚
・〈原子力ムラ〉の次は〈ゲノム編集ムラ〉!?
・〈デジタル農業アプリ〉の真の目的とは
・食が〈特許〉で支配されるディストピア
・地球の砂漠化を防ぐにはバッファローを見よ!
…etc.
巨大資本が仕掛ける強欲マネーゲームーー〈食の文明史的危機〉を描き出す衝撃作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
breguet4194q
119
著者の食に対する問題意識の高さに感動しました。世界の食料事情や対策などを綿密に調べあげてます。更に日本についても言及しています。後半の論調は、ただただ共感する内容でした。自分自身が、食に対して相当鈍感だった事を、思い知らされました。著者自身が後書きで述べてますが、体調不良を食の力で治癒した経験が、説得力を増していると思います。ルポって素晴らしくありがたいものだと、改めて実感しました。2022/12/23
あすなろ
105
相変わらず知らぬ最新知識を与えてくれる堤氏の著書。今回も盛り沢山で正直、主テーマは何だか分からなくなってしまった。しかし、後書にて明確化される。要は、食と世界と土について書かれているのですね。その上で、その土壌について・人工肉・ゲノム食品・農地の動向・牛について・デジタル農業・炭素クレジット・我が国の農と土等、興味深く新しい知識をまた得させて貰ったのである。興味ある方は是非一読あれ。そして大事なのは、これら受け取った知識をどう我々は活かして行くのかという事なのだ。これはいつも堤氏の著書を読了して僕が思う事2023/08/20
きみたけ
93
「私たちは何を食べさせられるのか?」の副題が不安感を醸し出します😅著者は国際ジャーナリストの堤未果さん。培養肉、ゲノム編集食品、食べるワクチンなど、フードテックの世界的な潮流の紹介や、牛や微生物の力を借りた土壌の再生、有機給食革命など、未来を切り開く新たな試みについても紹介した「食の大分岐点を描き出した」迫真のルポ。以前昆虫食に関する本で、牛肉のシェアがシュリンクして代わりに昆虫食が台頭するだろうとの記述に、まあいずれはそうなるかなと感じました。サカナもしかり。焼肉や寿司が堪能できるのも今のうちかな😅2023/07/12
Lara
93
本書購入後、時に触れ読んできたが、読み終わるまでに結構な時間がかかってしまった。当方に基本的知識が不足しており、兎に角理解に時間がかかり、難しい内容だった。ゲノム編集食品、遺伝子組み換え、化学肥料等々、聞いたり見たりする単語ではあるが、その実際、実態は理解できておらず、あくまで表層での理解しかない。牛のげっぷが、温室効果ガス増加につながる問題とは、意外過ぎた。否定的な進行状況が進む中、有機給食革命は明るい話題の一つ。いすみ市の取り組む無農薬栽培の取り組みは「民間稲作研究所」を元にする。自然な形を望みたい。2023/03/05
読特
79
動物を殺さずとも肉が食べられる。将来訪れるかもしれない世界。人口タンパク質が拓く未来。皆がベジタリアン…胡散臭さを感じずにはいられない。美辞麗句の裏に隠されるもの。遺伝子組み換えにゲノム編集。食の工業化。儲けるのは一部投資家。生態系は破壊される。気候変動を煽り処分される牛。一方で砂漠化は進む。環境を破壊するのは牛ではなくその飼い方。科学技術は万能ではない。人の思考には限界がある。放牧に輪作、炭を使った土壌醸成。わからないものは自然に委ねる。生物の繁栄は地球の偶然がもたらしたもの。そこには多くの知恵がある。2023/03/12