内容説明
孤独を全身で味わった哲学者が孤独を礼賛する
戦う哲学者が、誰一人からも理解されない偏った少年時代、混迷極まる青年時代を振り返り、助手時代の教授による壮絶なイジメ地獄までを実録する。
そして、ようやく「孤独を楽しみ、孤独を磨きあげ、孤独に死のう」という積極的孤独を選びとるまでの思索を描ききった。
この哲学的自分史の凄絶ぶり、また深遠さは比類がない。
解説:南木佳士
※本書は2008年11月に刊行された文春文庫の電子書籍版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
55
以前読んだ本。■雁字搦めで「ここから出なくちゃ」と思うとき、適切な援助を得られたら幸いだけど 得られない事もあるよね。そんな時には、「どこを目指すか」はさて置き、取り敢えず障壁を崩し足枷を振り切る事も時には必要で。目指す道を考えるのはその後でも出来るしね。■この人をはじめ、色んな人の様々な考え方に助けられ、鎖を解き、外へ出られたからここまで来れたんだよなぁ。■私にとって過去の恩人みたいな本です。「あなたのおかげで、あなたが必要無くなりました。ありがとう」 ( ' ᵕ ' )
団塊シニア
50
幼少時代、青年期の自殺未遂、大学の助手時代Y教授からの壮絶ないじめと屈辱感、自叙伝ともいえる内容であるが、作者の人間嫌い、孤独という共通したテーマには一生懸命さと頑丈な精神力を感じる。2015/08/24
hatayan
45
他人と関わるのを苦手とする哲学者の自叙伝。 周りに溶け込めなかった少年時代、哲学に憧れ12年東大に籍を置いた青年時代、指導教官に睨まれ俯き加減だった助手時代の経験から孤独を選ぶ意義を解説。 孤独を実現するためには孤独を理解する他人が逆説的に必要であるということ。 自ら能動的に孤独を選んだ者は孤独を楽しめること。 不適性のうちにこそ適性のヒントがある。そして、一生懸命努力するとどこからともなく救いの手が伸び、予期しない解決が与えられること。 自分自身の生を自分で引き受けることの強さを感じる一冊です。2019/04/17
ちさと
31
精神分裂症だったんじゃないかな?本書は中島先生の自叙伝。普通に生きるのが至極困難だった少年時代から青年時代、絶望的な助手時代のイジメ地獄、そして「半分人生を降りてる」という今に至るまでが綴られています。平均的感受性を持たない人は生きづらく、そんな人には中島先生の救済哲学もいいと思う。でもこれって自分は社会的な価値を目指さないけれど、その恩恵は享受するという要はフリーライダー。特に学んで目指すものではない気がする。そもそも中島先生は優秀すぎて、生きるのが困難な人の指針になり得るのかも微妙な気がしてきた、、2025/08/06
踊る猫
27
もちろん中島義道が優れた哲学者であることは言を俟たない(彼はカントの研究だけに留まらない「哲学者」である。異論のある向きは少ないだろう)。だが、本書で見えてくる中島義道の姿は哲学者でもあるが、それ以上に文学者であるように思う。語られる結論を身も蓋もなく言ってしまえば「マイナスをプラスに転じる」、つまりこれまで経てきた負の経験をひっくり返して活かすということになるので新鮮味はない。だが、ここまで生々しく個人の体験を掘り下げ、他人を傷つけることを厭わずに描き切る中島の姿に私は文学を感じてしまうのだ。太宰以上に2021/02/06
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