内容説明
慎重な男は、時代を変えた。戦後の日本を「一商人」として生き抜いた男、藤田俊雄。商人でもあった母の教えを胸に、復員後、東京・北千住で義兄とともに洋品店を営むことに。儲けを最低限に抑え、客を第一に考えたその店は、食料品等も扱うなど業容を広げ、「スーパーマーケット」という新たな形態へと変貌を遂げていく。イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏等をモデルに、流通の頂点に立つ男たちの姿を描いた傑作ビジネス大河小説。『二人のカリスマ(上)』を改題。 〈目次〉第一章 焼け跡 第二章 商人になる 第三章 商人修行 第四章 スーパーマーケット 第五章 アメリカ 第六章 チェーンストア化 第七章 驚異の躍進 第八章 コンビニエンスストア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PEN-F
37
終戦直後の荒野と化した東京で屋根もない1坪程の店舗から始ったイトーヨーカドーの歴史が詰まっています。最近、店舗の大量閉鎖へと追い込まれたイトーヨーカドーだけに読んでいて感慨深いものがありました。これも時代の流れというものなのか? でも我が街にはもともとイトーヨーカドーがないから悲しみたいけど悲しめないのが現実。2023/03/21
Mark X Japan
10
まさに、終戦後から裸一貫で大手スーパーを築き上げていくサクセスストーリーは、読み始まったら止まらないです。慎重さや地域との関係に、創業者の人柄が表れています。☆:4.52023/03/26
hiyu
5
あの有名なスーパーの歴史そのものをみている感覚。個人としてはとみゑとや貞夫薫陶を受けた保夫の存在が非常に重く感じる。陰になり日向になり敏雄を支えてくれている。ある意味自分の理想。2023/09/06
aotake_1103
3
カナダACTがセブン&アイに買収提案しているニュースをきっかけにイトーヨーカ堂創業者をモデルにしたこの小説を読んだ。江上剛氏の本は初めて読みましたが、めちゃくちゃ勉強になる本でした。読みながら、参考になったページにふせんを付けていったら、ふせんだらけになるくらい。完全なビジネス書ではあることだけど、小説でこんなことは初めて。面白くて勉強になるって最高!次は『コンビニの神様 二人のカリスマ下』を読もう!2025/03/08
モビエイト
3
イトーヨーカドーの創業者はあまりマスコミに出る事もなかったのですが、人として素晴らしい経営者だったのだと思いました。2023/08/16