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内容説明
20代の挫折から山奥での狩猟へ。
奮闘する若者の自然への愛情と、青春の複雑な気持ちを、一風変わった食生活と共に、みずみずしく描写した物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シャコタンブルー
64
「何にもしてないの、いいね!何でもできるじゃない!」尾道で初対面の店主の言葉が引きこもり状態だった作者の心に響く場面は感動的だ。里山へ移住してからは見違えるように生き生きとして輝いている。蝉、蜘蛛、昆虫を食べることが日常になる。でもカエルの卵まで食べるとは・・凄すぎ(笑)。猪の子供を大きくなるまで育て食べるシーンでは涙ぐんだ。山で暮らす山で生きる事は生存競争の原点だ。その過酷な日常が驚きの臨場感で描かれている。雪に囲まれ孤独の闇と死が迫って来る場面では震えた。どうか楽しく生きて欲しい。幸せになって欲しい。2023/02/07
さく
17
カエルの卵が美味しそう?ご飯に載せてイクラ丼みたい?無理無理。カエルを車で轢いちゃったから食べる?カエルだけだと味気ないからヘビも一緒に唐揚げに?無理無理!蝉は幼虫も成虫も美味しい!?猿も食べるの!?ひぇー!幼稚園の先生を辞め、精神的に病んでいた時期もあったけど、イノシシの肉に出会い、狩猟に出会い、芸北の山に移住した束元さん。美味しいものを食べたい、できたら自分で育てたもの、自分で獲ったものを食べたい、という探求心から、ここまでこれたことに驚く。ウリボウの話は、そうなるとわかってたけど悲しかった。2024/07/26
roatsu
15
山里はもちろん地方の都市ですら縮小・衰退して前世代から繋がる暮らしの多くが放置されそして急速に消えていくこの時代に、これからの日本人の一つの生き方の提示として面白い内容と思う。女性を含め若い世代が農山村に移住して営農や狩猟等に挑むことは今やもう珍しくないが、それでも多くの日本人は都市に住み、そうした暮らしには縁遠いのであり、著者の山村での無二の生活体験は瑞々しく刺激的だろう。ラストの方は山村暮らしのきっかけのこともあり、ちょっと心配になってしまったが、でも大丈夫なようでホッと。いい体験記でした。2023/10/11
onasu
11
タンパク源として「昆虫食」が認知された今でも、草刈り機の犠牲になったカエルを持ち帰ってとは…。(蝉をライターで炙って…、粉にして塩と混ぜて…てのも、頭では分かっていても…) 広島県の北端、島根との県境の旧芸北町に数年間一人暮らしをした20代女子の著者。食べることが好きで、好奇心旺盛、行動力もあって猟銃免許を取得、地域の人にも受け入れられて、根付くのかと思ったら…。 暫時育てていた猪を始め、僕らは命をいただいて生きていることを再確認させてもらえた。文章もしっかりしているし、これを糧にできたらいいですね。2022/11/29
ビッグマックツトム
6
今流行りのオシャレ狩猟女子的な本かと思ってたら、とても間違いだった。20代の感性豊かな著者が人生に悩みながら自分の居場所をみつけ周りの人に支えられ成長していく記録。狩猟の方法、田舎暮らし事情、少し変わったお食事情報など、令和の時代にお金では買えない新たな生き方を示してくれた。2024/01/12