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内容説明
かつて世界一の強さを誇った日本の製造業。
しかし、その代表格である電機産業に、もはやその面影はない。
なぜ日本の製造業はこんなにも衰退してしまったのか。
その原因を、父親がシャープの元副社長を務め、自身はTDKで記録メディア事業に従事し、日本とアメリカで勤務して業界の最盛期と凋落期を現場で見てきた著者が、世代と立場の違う親子の視点を絡めながら体験的に解き明かす電機産業版「失敗の本質」。
ひとつの事業の終焉を看取る過程で2度のリストラに遭い、日本とアメリカの企業を知る著者が、自らの反省もふまえて、日本企業への改革の提言も行なう。
この過ちは日本のどこの会社・組織でも起こり得る!
ビジネスパーソン必読の書。
【主な内容】
第一章 誤認の罪 「デジタル化の本質」を見誤った日本の電機産業
第二章 慢心の罪 成功体験から抜け出せず、先行者の油断から後発の猛追を許す
第三章 困窮の罪 円高対応とインターネット・グローバリズムへの乗り遅れ、間違った“選択と集中”による悪循環
第四章 半端の罪 日本型経営の問題点――経営者、正規・非正規、ダイバーシティ、賃上げ、エンゲージメント――はなぜ改善できなかったのか
第五章 欠落の罪 人と組織を動かすビジョンを掲げられない経営者
第六章 提言 ダイバーシティと経営者の質の向上のためには
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
122
著者は、TDKの記録メディア事業で事業撤退や解雇を経験。また、著者の父は、シャープの副社長として、日本の電機産業の栄枯盛衰を見てきた。そんな二人の体験には、経済学者の空論とは比べ物にならない臨場感がある。誤認・慢心・困窮・半端・欠落という五つの大罪を挙げて、具体的で説得力のある考察が展開する。ただ、私には、反省を踏まえて著者が最後に提案する「指名委員会等設置会社の導入」「正社員に対する解雇規制緩和」が正しい方向性なのか疑問である。更に、著者の強調する「エンゲージメント」も、その概念に大いに懐疑的ではある。2023/04/12
skunk_c
78
著者は研究者ではなく、2度のリストラを経験した企業管理職で、父親はシャープの重役。その両方の失敗経験を重ねながら、凋落の原因を誤認、慢心、困窮、半端、欠落にまとめ、相互の関連も意識し、随所に自分の失敗に対する悔悟を交えながら述べる。その語り口は決して激するわけではないが、強い力と説得力を感じ、「初めて書いた本」とは思えない読ませるものだった。提言も丁寧で、雇用の流動性と引き換えに終身雇用で捨てていた「希望する仕事をする」を取り戻すのが良策だが、アメリカを反面教師にして解雇に対する金銭補償などを提案する。2023/07/19
ahwai55555
16
日本経済凋落の原因を探っていろいろと読み漁ってきたが、今のところ、電機産業に関する本書の考察が一番しっくりくる。リストラの当事者として解雇する側もされる側も経験した著者の考察は、”罪”という言葉を前面に立ててヒリヒリと迫ってくる。低迷する日本企業の挽回には、企業統治のガバナンス改革とダイバーシティの向上が必要、とは思うが、今の経営層が世代交代するまで実現しないような気もする。2024/01/06
JUN
14
高付加価値の名の下に高機能化に走り、「画期的な簡易化」を軽視した日本製品が力を失っていくのは必然的な結果。→確かに消費者が求めていない高機能製品の開発に、各社がしのぎを削っていたなぁ。2023/05/31
紫の煙
13
よく語られるのは、「誤認の罪」と「慢心の罪」であろう。電機産業に顕著だと思う。「困窮の罪」は、仕方ない面もあった。「半端の罪」と「欠落の罪」は、日本企業にありがち。シャープの元重役を父にもち、TDKに新卒入社した著者なので、2社の記述が多いが、電機業界の代表として、パナソニックの話が聞きたい。2025/07/04
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