どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと

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どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと

  • 著者名:澁谷知美【著者】/清田隆之【著者】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2023/02発売)
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  • ポイント 390pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480864796

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内容説明

非モテの苦しみ、マウント合戦、マチズモ、男同士のケアの不在……。どうして男はそうなんだろう? 6人のゲストと語り合って見えてきた、男の今とこれから。

目次

はじめに/第1章 「男子バキバキ脳」からの脱却 「自分の身体はこういうものを喜ぶ」を知ろう ゲスト 清田隆之さん/「おにぎり事件」の衝撃/男に一番足りていないのは……/ハゲの悩み、おちんちんの悩み/「土着の恥ずかしさ」と「作られた恥ずかしさ」/「仮性包茎」をめぐる二重性/「おちんちんケア・トーク」は難しい/究極的には二人で話をするのが一番/男が自分の体に敏感になるには?/「俺は強いアピール」競争から降りる/第2章 「非モテ」の諸相と、「これから」のこと 自己否定でも開き直りでもなく自分を「開く」語りの可能性 ゲスト 西井開さん/「非モテ」という言葉の誕生、その変遷/恋愛にかかわるマジョリティ男性の痛みを言語化/「未達の感覚」とは何か?/周囲からの「いじり」「からかい」をどう考える?/「男らしさ」を用いた巧妙なからかい/女性からの「からかい」を考える/「未達の感覚」から抜け出すには?/「一対一と集団では男の態度が変わるのはなぜなのか」問題/「いじり」の場面に遭遇したら?/男同士のエロ話、どう考える?/「自己孤立化」と「女神化」/「社会構造による非モテの苦しみ」という側面/「非モテ」をあえて定義しない理由/語り合いから生まれる気づき/うねうねと自らの気持ちや経験を男同士で語り合う/第3章 男性性と暴力 コミュニケーションに潜む加害と被害の両面から考える ゲスト 中村正さん/「男同士の付き合いって難しい」/虐待する父親やDV男性の希薄な加害意識/被害体験を被害として語れない男たち/「暴力はダメだ」では変われない/息子にスポーツを強要する父親たち/「勝ち」にこだわる意識をずらしていく/父親から子へと連鎖する暴力/虐待に気づいたとき、どうする?/暴力を受けた子どもが暴力から抜け出すには?/「こんなオレでごめん」という暴力/「誰でもよかった」は本当に「誰でもよかった」?/加害者が変わるには何が大切か?/マウントされたら、どうするか?/第4章 男性が乱用しがちな「構造的な優位」とは? その「優位」を利用しない手立てを考えよう ゲスト 平山亮さん/「しっかり働かないと女性に嫌われる」という強迫観念/「男らしさ」から「降ろさせてくれない」!?/男同士の抑圧をどう考える?/「つらい」と言えば助けてもらえるだろうという赤ちゃんマインド/「コンフィダント」と「コンパニオン」/「介護する息子」が親の「弱さ」を認められない理由/「相手のことを完全にはわかっていない」と意識し続ける/「弱き者を弱き者のまま尊重する」ということ/「傷つき体験」の語りにくさ/男性はなぜ「絶滅せずに生き抜くことができたのか」/「長時間労働のせいで男は家事育児ができない」説は本当?/「構造的な優位」の乱用/「男あるある」「女あるある」を疑う/個人でできること/「男はこういうものである」という言説の問題点/「ハイブリッドな男性性」にご用心/「介護する息子たち」研究のきっかけ/男が、男として生きていない者とともに生きる道/第5章 「誰でも差別し得る」という出発点 「男性中心社会」日本と性的マイノリティ ゲスト 前川直哉さん/男同士でエロ話をするわけ/「ホモソーシャル」と「ホモセクシュアル」/時代遅れの「社員・主婦システム」/「なんちゃって能力主義」社会/ミソジニー男の暴走はなぜ起こる?/「日本は同性愛に寛容な社会」説はほんとう?/性的に客体化されるのを恐れるヘテロ男性/ヘテロ男性たちの、よくある誤解とは?/「電車の中で足を踏むことと……」/第6章 すぐそこにあるマチズモ あの手この手で「マッチョ連合」を突き崩せ! ゲスト 武田砂鉄さん/日常の中のマチズモ/「俺=公共」なおじさんたち/「毎日がメンズデー」な日本/「俺にはバックがついてるぜ」問題/女性客にはタメ口、なぜ?/セクハラ限界値を探るおじさんたち/女性憎悪と暴力男、どう考える?/ジェンダー問題を意識するようになったのは……/「男のくせに~」と揶揄されたなら?/「これからの男」をもっと考えたい人のための読書案内/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

26
男性性を研究している学者やコラムニストをゲストに招いて、座談会形式で男性ジェンダーの問題に迫った本。近年では、「男性もジェンダーに縛られて苦しい」という従来の男性学の主張に加え、男性の加害者性に着目して、男性性を反省的に捉える研究が増えつつあるという。本書では、いわゆる非モテ男性が縛られている男性性規範の問題やDV加害男性の問題、あるいは性的マイノリティに対して差別的な男性の問題など、幅広く男性の問題を検討している。因みに煽り運転の加害者の96%は男性(武田砂鉄)であるという。面白く読めた。 2022/10/01

道楽モン

20
敬愛する社会学者・澁谷知美さんがホストの対談集。ジェンダーの視点から語られる「男性優越(マチズモ)」に溢れる社会構造の問題点をあぶり出している。どっぷりとその中で生きている私自身も、何の疑問もなくぬるま湯的価値観に洗脳されまくっていることに気づき、考えること多々。社会構造を背景にした「空気」と、個人的な男性性への依存。この両面から認識を改める必要がある事が、否応無く突きつけられるので、男性は心して読みましょう。DVもミソジミーも非モテも、その根底はホモソーシャル的価値観を検証することが必要なのだ。2022/10/28

たいこ

18
武田砂鉄さん編は面白く読んだ。武田さんの言葉は彼が毎日の生活の中で普通に感じていること。ジェンダーの問題やいろいろな差別、権力、支配の問題はそれ以外の物事と同じように日常の中にあるのだということがわかる。それ以外の方々は専門家だからなのか、読んでいるこちらがどんどん追い詰められていく感覚もあり疲れてしまった。内容的には解放を感じてもおかしくないはずなのに。大人になってから改めて考えるから疲れてしまうのかも。このような内容を子どもの頃から当たり前に学んで自然な感覚として身につけられたらいいなと思う。2022/09/28

itokake

17
6名の研究者や書き手が、男の諸問題について語った本。平山亮と武田砂鉄が面白かった。平山氏「男らしさから降りさせてもらえないという男性は、マジョリティの責任逃れ」と一刀両断。武田氏のマチズモからみたオジサンたちの行動分析にいちいち納得。自分の話か、「会社が」「社会が」と大きな主語で話すオジサン達、いるいる!複数の話者が共通してあげる「いじり」に代表される男同士のコミュニケーション。これは女性でもある。私はいじりが苦手なので、聞くのも参加するのも距離をとる。いじりは悪ノリだし、本質はいじめと同じ。2022/11/06

spatz

12
澁谷知美さん、清田隆之さんという二人の論客を軸に、 西井開 さん、中村正 さん、平山亮 さん、前川直哉 さん、武田砂鉄 さん、というゲストを迎えて複数人で対話する形で論じられた書。さまざまな切り口のジェンダー論なのだが、これでもかというほどつきつめられていくのは、一対一のインタビュー形式でないことからくるのかもしれない。経集者の一人が女性であるのはバランスをとるためによかったと思う。まだまだこれからの課題、研究です、という話題も多数。#NetGalleyJP2022/09/19

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