平凡社新書<br> 教養としての日本の城 - どのように進化し、消えていったか

個数:1
紙書籍版価格
¥1,012
  • 電子書籍

平凡社新書
教養としての日本の城 - どのように進化し、消えていったか

  • 著者名:香原斗志
  • 価格 ¥910(本体¥828)
  • 平凡社(2023/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784582860238

ファイル: /

内容説明

姫路城、江戸城、熊本城……なぜ日本の城は豊かな発展を遂げ、消えたのか。16の城を世界史の中で読み解き、新たな視座でとらえ直す

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

101
戦国末期に突如花開いた日本の城が、海外の城郭建築に影響を受けていたとは考えてもみなかった。信長は宣教師から彼らの城について知り、それを自分なりに咀嚼した理想の城として安土城を建てた。城の内部を襖絵や障壁画で埋めるやり方も西洋のやり方を模したのが他の城でも広まり、加藤清正は朝鮮で苦戦した経験を熊本城建築に生かしたとする。しかし鎖国により築城術は停滞し、江戸城のように火事で焼けても同じ建築を繰り返すだけになったと見る。物的証拠のないのは惜しいがユニークな視点であり、時代小説の素材になれば面白いものができるか。2023/03/18

skunk_c

56
比較的メジャーな城に関して、豊富な写真とともに、現存城については様式、また再建城については特に残っている石垣や再建形態などについて解説する。解説と写真の関連性がしっかりしているので、殆ど行ったことのある城だったが再訪したくなった。まあ城から眺める景色が好きで行くので、そこまで城そのものにこだわっていないというのもあるが。一方気になったのは、著者自身が仮説と断ってはいるものの、例えば信長の城作りと西洋建築や美術との関連付け。確かに仮説としては面白いが、飛躍があり、著者の関心領域を無理やり接合した感が強い。2023/03/01

氷菓子

8
私達が思い描く石垣の上に天守が建つ典型的な日本の城は織田信長の安土城が最初。西洋を意識した信長が、西洋では城が石でできてるなどの情報から着想を得て建てたと考えられる。そこから石垣の技術などが急速に発展するが、徳川幕府になって戦がない、鎖国で海外の情報入らない、一国一城かつ新築は不可で修復のみ可という状況になると築城技術は発展のしようがなくなる。著者は江戸時代の技術の停滞に対して否定的だったが、戦国時代の城の姿形がそのまま継承されて現代で見ることができるのは観光的には悪くないと思うけどなぁ。2023/05/17

T-山岡

5
ファッション&スタイル誌「GQ Japan」のウェブ版に連載された「世界とつながっている日本の城」をベースとした城郭入門書。取り上げた城郭自体はこの手の書籍では頻出する有名どころが多いが、本書の特徴は「日本の近世城郭が成立期に海外文化の影響を受けた」ことと「いわゆる『鎖国』により近世城郭は海外の影響を遮断され、建築としては『停滞』した」ことを述べた点と言えよう。海外の影響の有無(実証可能性)と、江戸期の城郭を「停滞」と捉えるかどうかについては大いに議論のあるところだろうが、トピックとしては興味深く感じた。2023/04/12

kaz

4
単に日本の城を紹介するという視点ではなく、西洋との交流、あるいはその断絶という視点から城の発展の歴史を考えるという面白い試み。必ずしも十分に実証されているとも思えないが、読んでいて楽しい。図書館の内容紹介は『熊本城の石垣に見る鮮やかな技術の進歩、摩訶不思議な「つぎはぎ」の城・大坂城、京都に鎮座する「西洋風」の城郭・二条城の謎…。安土城から五稜郭まで、17の城の誕生秘話を世界史の中で読み解き、新たな視座で捉え直す』。 2023/07/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20563005
  • ご注意事項

最近チェックした商品