創元推理文庫<br> 赤ずきんの森の少女たち

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創元推理文庫
赤ずきんの森の少女たち

  • 著者名:白鷺あおい【著】
  • 価格 ¥1,200(本体¥1,091)
  • 東京創元社(2023/02発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488588083

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内容説明

神戸に住むかりんはお菓子作りが得意な高校生。祖母の遺品の中にあったドイツ語の本を従兄の慧に訳してもらい、一緒に読んでいくことにする。そこに書かれていたのは、19世紀末の寄宿学校を舞台にした少女たちの物語だった。赤ずきん伝説の残るドレスデン郊外の森、学校で囁かれる幽霊狼の噂。校内に隠された予言の書と宝物の言い伝え。読み進むうちに、二人は物語と現実を結ぶ奇妙な糸に気づく。そして浮かんできたひそかな悪意……。『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の著者がグリム童話をもとに描いた神戸とドイツの不思議な絆の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

70
赤ずきん伝説の残るドレスデン近郊の寄宿学校と神戸をつなぐ絆とは?亡くなった祖母の遺品のドイツ語の本を読むうちに、ぼんやり浮かび上がってくる不思議に心躍りました。何よりやっぱり学園ものが楽しい。お昼寝熊さんのからくり人形に、マイセンのテーブルウェア、モスリン一巻きにザリガニ!出てくるアイテム一つ一つが可愛くてため息が出ちゃいます。謎解きにわくわく、たっぷりのときめきにドキドキ楽しい読書でした。2023/03/15

雪紫

62
日本の神戸、祖母の法事で見付かった彼女の郷里の言葉で描かれた子供向けな本。そこに描かれる19世紀、ドレスデンの寄宿学校で起こる不思議事件の数々と今が繋がっていく。中程まで読むとどんどんやめられなくなる。うずらの卵のチーズケーキ。日常の謎。現れる人狼。兵士とのゆっくりな恋。戦争の影。暗号。作者の話を読むのは始めてなのに好きなものめいいっぱい詰め込んだ感が強くて、何処かひとに勧めたくなる不思議な魅力がある。確かにパフェだわ。個人的に魅力が強かったのはロッテと中尉の恋模様で。2023/07/14

寂しがり屋の狼さん

58
神戸に住む高校生『かりん』の祖母の遺品に、大切にしていたドイツ語の本があった。19世紀末の寄宿学校を舞台にした少女たちの物語に出てくるのは、赤ずきん伝説の残るドレスデン郊外の森、幽霊狼の噂、校内に隠された予言書。そこには物語と現実を結ぶ糸が…過去と現代、ドイツと日本を繋ぐ不思議な絆の物語(⁠◕⁠ᴗ⁠◕⁠✿⁠)2023/10/23

よっち

52
神戸の高校生・熊丸かりんが、従兄の大学生・栗原慧に訳してもらった祖母の遺品であるドイツ語の本。そこに描かれる十九世紀末の寄宿学校を舞台にした少女たちの物語。その本に描かれる赤ずきん伝説の残るドレスデン郊外の森、学校でささやかれる幽霊狼の噂、校内に隠された予言の書と宝物の言い伝え、読み進めるうちに物語と現実を結ぶ奇妙な糸に気づく二人。物語の中で描かれるロッテと個性豊かなルームメイトたちの寄宿学校の様子や、それぞれの謎解きのエピソードがなかなか楽しくて、そこから伏線が解き明かされてゆくとても素敵な物語でした。2023/03/20

泰然

39
純朴で素直な少女小説の作法から入り、空想科学を引用した魅力的歴史ファンタジー。国際都市・神戸とドレスデンの不思議な縁を描き、関西文芸の色もあるのが憎い。あの赤ずきんのおばあちゃん、はどうして村の外れにひとり暮らしていたかや、狼さんの正体を民俗学的に掘り下げ、話の世界観に奥行きを想像力豊かに与えながらも、サラエボ事件から始まる総力戦の歴史的悪夢に繋がるあの令嬢を登場させる手腕は思わず関連文献を手にしたくなる。主人公のロッテは勇敢かつ才気に溢れ、スカートの挨拶も絵になる淑女で、戦後の表情を読者の想像に委ねる。2023/03/05

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