ワイヤレス人体センシング ―バイタルサインの電波計測と信号処理―

個数:1
紙書籍版価格
¥3,960
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

ワイヤレス人体センシング ―バイタルサインの電波計測と信号処理―

  • 著者名:阪本卓也【著】
  • 価格 ¥3,960(本体¥3,600)
  • オーム社(2023/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 1,080pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784274229978

ファイル: /

内容説明

非接触かつ簡単に複数のバイタルサインを常時計測可能なワイヤレス人体センシングについて、その電波計測と信号処理の方法をわかりやすく一から解説。
 本書は、マイクロ波やミリ波を使って、人のバイタルサインをレーダなどの電波センサによって非接触で計測する技術(ワイヤレス人体センシング)の原理と応用方法を、詳しく解説した書籍です。
 ワイヤレス人体センシングを使用すれば、病院などの医療施設、保育園などの保育施設、また、介護施設等における見守りを飛躍的に高精度・効率化できたり、AIやクラウド技術などと組み合わせて、誰もが簡単に自分のバイタルサインを日常的に把握できたりするなど、接触型のセンサでは考えられなかったことが実現できます。
 一方、バイタルサインによる体の動きは、手足などの運動と比べて、ごくわずかな変動であり、レーダなどの電波センサを使って、対象者のバイタルサインを精度よく計測することは容易ではありません。
 本書は、ワイヤレス人体センシングの土台となるアンテナ工学や基礎的な医療の知識から、実際に応用可能な電波計測と信号処理の方法までを、一からわかりやすく説明しています。

目次

序 章 ワイヤレス人体センシングとは
0.1 これまでの生体計測センサの課題
0.2 身近になってきたワイヤレス人体センシング

第1章 人体計測の基礎
1.1 生体センシングとレーダ計測
1.2 呼吸器と呼吸の計測
1.2.1 呼吸器の構造と機能
1.2.2 呼吸の計測
1.2.3 典型的な呼吸と数理モデル
1.3 循環器と心拍の計測
1.3.1 心臓の構造と機能
1.3.2 心拍の計測
1.3.3 心拍による皮膚変位
1.4 血圧と脈波伝搬の計測
1.4.1 血圧と脈波の性質
1.4.2 脈波の計測
1.5 人体運動の計測

第2章 電波センシングの基礎
2.1 ワイヤレス人体センシングのシステム構成
2.2 サンプリングと量子化
2.3 ワイヤレス人体センシングとSN比
2.4 反射波の検出
2.4.1 レーダ受信信号の確率密度関数
2.4.2 受信信号電力と信号検出
2.4.3 フィルタによるSN 比の向上
2.5 呼吸計測とレーダ断面積
2.6 心拍計測とSN比
2.7 電波による距離の計測
2.7.1 パルスレーダによる距離計測
2.7.2 距離分解能
2.7.3 パルス圧縮
2.7.4 チャープ変調
2.7.5 周波数変調連続波レーダによる距離計測
2.8 電波による速度と位相の計測
2.8.1 ドップラー効果と目標速度
2.8.2 時間周波数解析と速度推定
2.8.3 人体皮膚変位と位相の計測
2.9 電波による目標方位の計測
2.9.1 アンテナ指向性パターン
2.9.2 アレーアンテナの原理
2.9.3 送信アレーアンテナ
2.9.4 受信アレーアンテナ
2.9.5 等間隔リニアアレー
2.9.6 角度プロファイルと到来方向推定
2.9.7 MIMOアレーアンテナの原理
2.9.8 MIMOアレーアンテナによる人体の複数部位計測

第3章 電波による人体計測の基礎
3.1 人体の電波計測における透過と反射
3.1.1 人体組織の電気特性
3.1.2 電波計測と生体組織モデル
3.1.3 皮膚組織での電磁波散乱
3.1.4 脂肪組織での電磁波散乱
3.1.5 人体からの電磁波散乱
3.1.6 衣服の電波計測への影響
3.2 人体の電波計測における不要波の処理
3.2.1 人体からの反射波とクラッタ除去
3.2.2 チャネル不平衡とクラッタ除去
3.2.3 皮膚変位の振幅とクラッタ除去
3.2.4 生体センシングと周波数帯域

第4章 呼吸・心拍の電波計測応用
4.1 電波センサによる人体計測の実際
4.1.1 電波センサの基本性能
4.1.2 電波センサによる距離と角度の計測
4.1.3 電波センサによる位相と生体信号の計測
4.2 アレーレーダによる呼吸イメージング
4.3 複数人のワイヤレス呼吸センシング
4.4 ワイヤレス心拍センシング

第5章 機械学習の適用
5.1 機械学習によるジェスチャ識別
5.1.1 ジェスチャの電波計測
5.1.2 CNNによるジェスチャ識別
5.1.3 ジェスチャ識別精度の評価
5.2 機械学習による個人識別
5.2.1 電波による個人識別
5.2.2 歩行・着座の電波計測
5.2.3 個人識別精度の評価
5.2.4 電波計測と機械学習
5.3 機械学習による心拍計測
5.3.1 CNNによる心拍計測
5.3.2 機械学習による心拍計測の精度評価
5.3.3 呼吸成分の有無と心拍計測精度

付 録
A マクスウェル方程式と平面波
B 電磁ポテンシャルによる電磁界表現
C 微小ダイポールからの電磁波の放射
D 媒質の境界における平面波の反射
E レーダ方程式
F スペクトル解析と信号処理の基礎
G 分解能と窓関数
H コヒーレント積分とインコヒーレント積分
I 平板完全導体のレーダ断面積
J 可視域とグレーティングローブ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

makio37

8
ミリ波を使ったレーダに関する本がもともと少ない上に、呼吸や心拍など人体計測の基礎と実際まで触れている書籍は他に知らない。重要な数式などをまとめた付録が充実している点もありがたい。久しぶりに信頼できる技術本に出会えた気がする。もう少し基礎を固めた上で再読し、次はしっかり理解しながら読み進めたい。今回の1周目で特に印象に残ったのは「速い時間」と「遅い時間」という概念について。前者は目標物までの距離を電波が往復する短い時間に、後者は目標物の運動に関わる長い時間に対応する。2023/11/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/20526160
  • ご注意事項