内容説明
「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」。ミステリーの巨人がたっぷり浸る怪奇幻想世界。怪異小品集第5弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
72
怪奇小説ファン、全員、集合!乱歩美学と怪奇小説愛に溢れた豪華なエッセー集。乱歩作品に出てくる人形、レンズ、残虐絵、奇形、少年愛などの紹介に思わず、作品も思い出してしまってニヤニヤ(・∀・)。特に「残虐への郷愁」にはHANNIBALで人間コントラバスの音色や人間色相環を初めて観た時、思わず、「なんて美しい・・・」と思ってしまったことを思い出してしまいました。そして怪奇小説の紹介では大半の本が読んだことがあるものだったのでこちらでも顔がニコニコするのが止まりませんでした^^2016/08/19
HANA
55
乱歩の怪談に関するエッセイ、評論を中心に編まれた一冊。小説は冒頭に三篇を収録しているだけだが、全て乱歩の怪異、幻想に関する一面がよく出たセレクションだと思う。「白昼夢」は読む度に凄みが増してくる。旧字体なのもポイント高し。次いで人形や鏡といった恐怖に関するエッセイが続く。「懐かしの乱歩」とはよく言ったもので、どれも見た事もないのに郷愁を誘う言葉ばかり。評論を集めた「怪談入門」はマッケンやHPLを発見するなど、この分野に関する乱歩の見識の高さが伺える。読んでいると乱歩作品や泰西怪談を読み返したくなってきた。2016/08/08
深青
20
いいなぁ…江戸川乱歩。人間が怖いというか狂気を感じる短編に圧倒されて、江戸川乱歩の様々な「怖い」に対する思いに触れて、怪談の分類に思わず感心して。大満足です。もっと、もっと、江戸川乱歩の作品を読んでみよう。エッセイ…でいいのかな。読んでいると横溝正史の名前が出てきて親交があったんだなと初めて知りました。こういう新たな一面を知れるのもとても楽しいです。2016/12/08
犬養三千代
10
2016年 1600円 江戸川乱歩を、東雅夫が編集。エッセイは知らなかったので短い文章の中にも知らないことがあり良かった。対談集は噛み合わなさがなんとも言えない。三島由紀夫、、やはり、、良い。2019/01/23
山田
8
火星の運河…懐かしいと感じました。若い頃に読んだ時とは違い、昏いリズムが聞こえてきそうな、ゴッホの「ひまわり」の絵が頭に浮かぶような… 同じ本を歳とってから読むと、「こんなにも感じ方が違うのか」と、面白く感じてます。2020/09/14