内容説明
5対4で有罪――この判決は、ほんとうに正しかったのか? 死刑か冤罪か。母娘殺害事件を巡り、6人の裁判員と3人の裁判官は究極の選択を迫られる! 法廷ミステリーの傑作、初の文庫化! 被告人は三十間近の冴えない男だった。出会い系サイトで知り合った女とその母を殺したのだ。離婚協議中の会社経営者・堀川恭平は裁判員制度により選ばれ、彼の審理に参加することに。最高刑が死刑まである事件だ。ところが公判初日、男は一転無罪を主張。法律の素人である6人の裁判員の議論は紛糾、新たな仮説まで浮上する。やがて堀川らの人生は事件の真相に蝕まれ…。――『裁判員――もうひとつの評議』改題作品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
67
これはツライ。もしも自分もその場にいて、判決に一票を投じなければならない立場だったとしたら…人ひとり、命ひとつを正義を盾に生かすも殺すも自由にできてしまう恐ろしさを思い知る。6人の裁判員が陥った裁判員制度の最悪を描いた法廷ミステリ。有罪、その判決は正しかったのか?無罪、被告人は嘘をついていないのか?真相、人が人を裁くという責任の責任は誰が持つのか?人生を変える一つの評決が、新たな疑惑を生み暗い影を落とす。自分にもいつか来るかもしれない事態、他人事だとは思えず怖くなる。多数決の連帯責任の罪に警鐘を鳴らす。2023/04/23
ひでちん
15
裁判員制度が導入された頃(2009年5月施行)の物語。 交際していた女性と母親を刺殺したとさる被告人が、裁判で一転して無罪を主張し、一般裁判員に選ばれた6人(特に堀川恭平44歳視点)が当事件と私事(離婚問題)とに翻弄される展開。 裁判員側視点の物語も、推理要素もあり面白い。 被告人側視点でいくと、交際経験乏しい男性(被告)の好意を逆手に取り、女が何度も金を無心していた。被告には大切な貯金で大金だった‥‥となると、情状酌量の余地も出て来る。2024/12/02
もけうに
6
ここまで真剣に裁判員やるかね?という違和感を覚えつつ、裁判員裁判を扱った小説は初めて読んだので、その点が面白かった。裁判員がその後ここまで不幸になるもんかね。設定に色々無理はあるが、推理の過程は面白かった。途中まで読んで、自分が裁判員になったつもりで推理すると面白いかも。2024/06/17
hiyu
5
裁判員制度の問題点についてはこれまでも言われているが、その一端を垣間見た気がする。一方で本書で示されたいくつかの矛盾。中には決して見過ごせないそれもあれば、あえてそれを飲み込むものもあった。ラストへ至る展開もちょっと唐突かな。2024/02/14
ハートランド
4
もしこの様な裁判員裁判で、自分が選ばれたとしたらと思ったら、怖くなる。2024/02/03
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