ハヤカワ・ミステリ文庫<br> ブラック・リスト

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ハヤカワ・ミステリ文庫
ブラック・リスト

  • 著者名:サラパレツキー【著】/山本やよい【訳】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 早川書房(2023/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 330pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150753689

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内容説明

ジャーナリストの恋人モレルがアフガニスタンの危険な取材へと旅立ち、ヴィクは不安を募らせていた。心配を打ち消そうと仕事に打ち込むヴィクは、無人の屋敷に出入りする不法侵入者の正体を突き止めてほしいとの依頼を受ける。ヴィクは張り込みを開始するが、発見したのは屋敷内の池に沈んでいた黒人男性の死体だった……9・11以後の混迷するアメリカを舞台にヴィクの活躍を描く英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

371
重厚かつ複雑なミステリーである。それゆえに通常の3倍のページ数を要することになった。事件解決の端緒がほの見えるのが300ページを超えたあたり。物語の終盤になるも全容はなかなか把握できない。もっとも、社会的背景を熟知していれば、もっと早くに全体の構図が読み取れたかも知れない。読後にはそう思った。本書は、9.11以降に俄に成立した「愛国者法」への警鐘として書かれたのだろう。すなわち、1950~60年代の「非米活動委員会」とそれとが重なるところに成立するのが、まさにこの作品の存在理由であった。⇒2021/07/18

遥かなる想い

212
アメリカのマッカーシー時代を題材に 9.11以降のアメリカの混迷を描く。 黒人ジャーナリストの死の真相を 追う過程で 浮かび上がる過去の「赤狩り」の 事実..アメリカの過去に何があったのか、 そして 9.11以降のアメリカはどこに向かおうと しているのか..「愛国者法」に対する 著者の危惧が物語に反映されている、そんな本だった。2017/03/27

ケイ

107
この作者の作品は初めて読んだのだが、これは長く続いている女探ヴィクトリアシリーズのようだ。舞台は9.11後のアメリカ。彼女の過去の事件は知らなくても、あまりに読みやすい訳でどんどんと読み進んでいく。テロに対し、一致団結するアメリカと言えば聞こえがいいが、一種の赤狩りだ。集団心理が生む狂気と、それに対峙する女探偵ヴィク。非常に面白かった。前にもどってシリーズを読んでみたい。2016/08/10

セウテス

63
V・I・ウォーショースキーシリーズ第11弾。あの9・11以後のシカゴが舞台になっている。郊外の高級住宅街のある一件の無人宅を、依頼により調べにきたヴィクは黒人記者の水死体を発見する。タイトルは1940年代から始まった、俗に言う赤狩りの際に使われたリストの事だと思う。同時テロにより施行された愛国者法により、テロ対策という大義名分の下、一般市民に対して行われている侵害の問題に、危惧を感じさせる背景があるのだろう。意味あるテーマだと共感はするが、サスペンスとしての楽しみは薄く、探偵物で使うべきか疑問に感じる。2016/01/02

空猫

25
人間関係の軋轢例と、人種、階級、男女…などの差別問題と、9.11が原因で誕生した「愛国者法」を始めとする米国の社会背景と、ありとあらゆる問題を全て盛り込んだような内容な上、2-3世代が絡む時間の長さと、複雑に入りくんだ人物に苦労しながら、何とか読んだ。このパンドラの箱を開けたような騒動も何とか収まり、何も変わらず下層民は踏みにじられ、上級国民は元通り安泰。探偵(庶民)は最後に残った希望を胸に日銭を稼いで生きるのだ。今回は何もかも詰め込みすぎてお腹一杯。 2021/05/19

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