内容説明
1から100までの整数を全部足せ――後の大数学者ガウスが九歳の時に一瞬で解いたというこの問題も、ちょっとしたコツ=近道で、同じ答えにすぐたどり着ける。長い歴史の中で数学が発見した思考の節約術を用いて、時間をもっと豊かに使おう。パンデミック時代の新しい人生の楽しみ方も教える、ユニークな科学エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
99
前の「レンブラントの身震い」が若干難しい気がしたのに比べこちらは数学の楽しいエッセイという感じでした。あまり数式などを使わずクイズ的な質問もあったりして楽しめます。各章についている「ちょっと一息」というコラムが様々な分野ー例えば私の興味のある、美術、音楽、経済学、金融などーで興味を持たせてくれます。昔読んだ「百万人の数学」を思い出しました。2023/07/04
やいっち
77
一般向けサイエンス書は好き。数学もマストアイテム。ソートイの書も、世界的ベストセラーの『素数の音楽』を始め、『知の果てへの旅』『レンブラントの身震い』など翻訳書は欠かさず読んできた。本書の刊行も新聞で知り即 買った。2023/05/26
わたなべよしお
25
ソートイさんの他の本は僕でも読めたが、この本は数学音痴には相当、高度だった。それでも、読みながら、やはり日本の教育は間違っているのではないか、と強く感じた。例えば、微積分。その内容については教えるが、微積分が何故、生まれたのか。なぜ、微積分が必要で、どんなことに役立つのか、は教わった覚えがない。本質を教えずに現象だけを教えていないか。何故、何のために代数があるのか。ゼロの発明は何故凄いのか。そういうことが僕にだって分かってくる。そんな本だった。2023/04/30
ズー
19
昔からずっと数字と数学は本当に苦手で、そんな数学を知りたいと思い手に取る。クレストブックスだから、きっと楽しく読める内容なんだろうと思い。こんなん役に立つのか?と思ってきた数学、じつは何もかも数学で表したり、分析することができる。頭のいい人だけの特別な学問とばかり思っていたが、とんでもない!あらゆる分野に数学を絡めて、エピソードを分かりやすく説明してくれていて、数学の素晴らしさ!近道を見つける素晴らしさが分かった。とても面白い本だった。色々考え方が変わった。2023/08/21
algon
6
気鋭の数学者が身近に起こりえる課題の中で高等数学が果たす役割やその経過の努力などを著者なりに平易に解説。…なのだが。理解できるところもあるのでは…と読み始めたが数学的な知識も思考法も遠く消え去った頭では懇切丁寧に対数や指数の説明をしてくれても全く理解できず読み飛ばし…という箇所がいくつも出てきて結局は問題に迫る過程とその概念を教えてもらった…ということに収まった。嫌いではなかったが幾何で躓いて以来忌避が続き面白そうなんだけどなぁという興味だけはあっても無理なものは無理。数独だけは対等かもしれないが(笑)。2025/02/26