リベラリズムへの不満

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リベラリズムへの不満

  • ISBN:9784105073213

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内容説明

リベラリズムが右派のポピュリストや左派の進歩派から激しい攻撃を受け、深刻な脅威にさらされている。だがそれは、この思想が間違った方向に発展した結果であり、本質的な価値に疑いの余地はない。多様な政治的立場を包含する「大きな傘」としてのリベラリズムの真の価値を原点に遡って解き明かし、再生への道を提示する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よしたけ

44
トランプ大統領以降の民主主義危機的状況を分析考察。寛容こそがリベラリズムの基本原則であるが、20世紀後半から極端化、右派のネオリベラリズム(新自由主義)提唱で格差拡大、左派の個人自律極端化によるアイデンティティ政治が寛容を損なったと分析。よくある右派批判に終始せず左派失敗に目を向け、GAFAMによる言論統制等に言及。リベラリズム政治原則として最低レベル統治機構への権力移譲を提唱も、国家レベル分断に悪影響を受け、地方対応能力が阻害される現実を嘆く。思想家主張にも多く言及する等、難解な内容なのは否めない。2023/08/04

ゲオルギオ・ハーン

26
リベラリズムの定義をしたうえで歴史や現代に起きていることを著者の政治思想も絡めながら解説した一冊。頷ける点もあるし、少し考えたいところもある。考えたいと思ったのは私があまり民主主義を深く考えていないからなのかもしれない。リベラルという考え方は他の本でけっこう曖昧に使われるので最初に定義してから進めていくので良かったと思う。合理性批判のところは正直よくわからなかった。2023/09/05

Hidetada Harada

12
知ってて当然の感のある「リベラリズム」という言葉。実はよく分かってなくてモヤモヤしてました。経済誌の書評欄で本書を見かけて、すぐに図書館でレンタル。よくわからないところはたくさん有りますが、読んでよかった本です。平和に慣れて自由が当たり前と思っている今この時こそ、自由の歴史を学ぶ必要があると思います。再読必須。読み込む価値のある本でした。2023/09/12

Yuki2018

9
フクヤマが擁護するのは古典的リベラリズムで、左派が今日自称するものとは別物だ。人間の平等を基本思想とし、抑圧から個人の選択を守るものだ。寛容・妥協・法の支配・漸進的な社会的課題解決を必要とする。右派(宗教保守派やナショナリスト)は共同体感覚を弱める個人の過度な自由に不満を抱き、進歩的左派はアイデンティティ間の不平等の観点から漸進主義を糾弾している。フクヤマは、左右の批判者は冷静な経験的分析より感情・感覚を重視する点で同じと喝破する。リベラリズムは寛容と中庸を武器に、これらの批判と戦って勝ち取るべきものだ。2023/08/19

ブロッコ・リー

9
昨今米国のトランプ氏や欧州各地で右派政権が躍進している事象を捉えて民主主義の危機と評する向きが多い(ワシントンポストはDemocracy dies in darknessと2017年からWebサイトに載せている)が、著者は実際に危機に瀕しているのはLiberalismであるという。民主主義とは国民による統治であり普通選挙権による定期的な自由で公正な複数政党の選挙として制度化されている。しかしそうした選挙を経て選出された者による統治でも権力行使などに問題が起きる。2023/06/10

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