他人の家

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他人の家

  • 著者名:ソン・ウォンピョン/吉原育子
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 祥伝社(2023/02発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784396636388

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内容説明

『アーモンド』の著者が贈る、極上の短編集!
ミステリー、近未来SFから、心震える『アーモンド』の番外編まで、珠玉の8編を収録

彼氏に振られ、職場をクビになり、賃料の値上げによって、今住んでいる部屋からの退去を余儀なくされた、踏んだり蹴ったりのシヨン。
部屋探しのアプリで、格安の超優良物件に出会った彼女は即、入居を決める。
格安なのには、理由があった--
本来二人で暮らすはずの部屋を、四人で違法にルームシェアしていたからだ。
優雅な独り暮らしには程遠いものの、そこそこ不自由のない生活を送っていたシヨンだが、ある日、オーナーが急遽、部屋を訪れる。
慌てた四人は共同生活の痕跡を消すべく、その場しのぎの模様替えをし、借主の親族のふりをするが……(『他人の家』)。
表題作ほか、人間心理の深淵をまっすぐに見つめた、傑作揃いの短編集!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

111
家族とか夫婦とか世界中似たような事情があって似たような気持ちがあると思う。夫婦だからぶつかり合うのはどこの国でも同じ。憎しみの行き着く先もおそらく身近だからこうなるのだと思う。フィンランドにもあんな人はいますよ。酔っ払いが寒い外で叫んでる。こんな変なのは自分の国だけだろうと思ったが、そうかどこでも同じかと思った彼は、もう少し思考のすそ野を視野を広げて欲しかった。韓国も民泊ブームの頃だろう。仮面夫婦のマンションに予約ドタキャンからの突然に来訪したフィンランド人のおばさんの存在が光をもたらすかに見えたが。2023/02/17

fwhd8325

96
長編とは違った味わいを感じます。どの作品もシャープな感覚が面白いと感じました。一作目「四月の雪」でガツンときました、そして「怪物たち」で、驚きました。私は、この作品が一番面白いと感じました。これまでの長編にも満足していますが、短編にはエッセンスが凝縮された面白さを感じました。2023/05/27

えんちゃん

78
『アーモンド』著者による、韓国の社会問題を描いた8つの短編集。どの話も毛色が違って読み応えあり。共通するのは『他人の視線』を感じながら生きているということ。文学的でスタイリッシュで明快な文章。そして深い。家族なのに?家族だから。他人なのに?他人だから。結末を読んだあと色々考えされせられて、どれも面白かった。他人事ではないと思う。韓国と日本はやっぱり似ているのかな。2023/04/15

J D

76
 ソン・ウォンピョンさんの初の短編集。訳者がいつもの矢島曉子さんではなく吉原育子さんでした。いつもと訳者が異なるからだろうか、少し違う印象を持ちながら読んだ。こういう時に原書で読める語学力が欲しいと思う。ただ、違和感を感じたのも「四月の雪」や「zip」で「他人の家」や「文学とは何か」、「箱の中の男」を読むといつもの感じがした。特に「箱の中の男」のあのシーンは既視感を抱いた。また、「アリアドネの庭園」は、こんな小説も書くんだと引き出しの多さに驚いた。納得の短編集でした。2023/03/23

美紀ちゃん

71
自分を犠牲にして人助けできるのか?子供を助けてケガをした兄。弟はその兄の苦しい日々を見て何事にも関わらない方が正解だと思ってしまう。そんな中、倒れている女性に遭遇。何もできない弟。そこにいた女の子は学校で習った心肺蘇生を始める。的確な指示も出してくれた。呼吸の止まってしまった女性を夢中で蘇生した。2人で協力して。やはり人助けはするべきなのだと思い直す弟。心の中に吹く風は爽やかなものに変わったのだと思う。弟が目撃した殺人事件が「アーモンド」のユンジェが経験した事件だった。どれも印象的で丸ごと良い本だった。2023/03/04

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