内容説明
翻訳家の桐子(とうこ)は大工の伊助と深い仲。ただ彼は、生き別れた義妹が一番大事という。ならば私は何だと桐子は憤り、偶然行き着いた卜い家(うらないや)で彼の本心を探る(「時追町の卜い家」)。お宅は平穏ねと羨まれる政子。果たしてそうか、近所の家庭を勝手に格付けし、比べ始める。それが噂になってしまい……(「深山町の双六堂」)。“占い”に照らされた己の可能性を信じ、逞(たくま)しく生きる女性たちを描く短編集。(対談・鏡リュウジ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
涼
77
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/04/post-f61d05.html それぞれ独立した短編集ですが、横断して登場する人物もいて、そちらも楽しかったです。2023/04/20
エドワード
58
時代は明治か大正か。占い―広く特殊な力、未来を見通す千里眼、死者の口寄せ、憂鬱な気分を食べる「喰い師」、読心術などを描く短編集。翻訳業をしている桐子は、屋根瓦の修繕に来た男と一緒に住むようになるが、男の本当の心がわからない。不安になった桐子は次々と占い師十数人に訊ねるが、言うことがてんでバラバラだ。結局男は桐子の許へ戻ってきた。「〇番目の人が正しかったのね。」本人は至って真剣だが、傍から見ると「よくやるよ」と失笑してしまう、占いってそんなもの。だからどこかユーモラスだ。「鷺行町の朝生屋」だけは怖い話だね。2023/03/30
piro
52
大正時代が舞台の短編集。ストーリーは独立していますが、登場人物がリンクするお話もあり、特に最後の『北聖町の読心術』は良い塩梅に繋がっています。占いだとか読心術だとか、場合によっては胡散臭く感じるものを主題に人の迷いや深層心理に巧く絡めて描かれる作品。人の悩みは今も昔も変わらない。結局は心の持ち様なんだけれど、なかなか割り切れるものでは無いですね。『時追町の卜い家』は桐子さんの優しさにホッとできて良かった。中にはホラーテイストや後味が苦い作品もありましたが、とても楽しめる一冊でした。2023/03/29
優希
45
面白かったです。占に己を見出す女性たち。占は生きるための道標なのですね。2024/07/25
ベローチェのひととき
35
妻から廻ってきた本。占いを題材とした7編の短編集。同じ都市の違う町内が背景なのか、他の短編で出てきた人がチョイ役で出ていて面白かった。悩みごとや不安を無くすために占いに頼ってしまう人はいるんだろうな。大切なのは占ってもらった後にどう考え、どう行動するかだと思う。占いについて私は良い事は信じ、悪い事は注意するぐらいに留めています。2026/04/23




