内容説明
「人新世」の正体を、あなたはまだ何も知らない――。
山崎直子さん(宇宙飛行士)推薦!
「我々はどこへ向かうのか、その考え方の土台となる本。宇宙に学校が出来たら、この本はきっと人類共通の教科書となるでしょう」
人文学界で最も名誉ある「タナー講義」を、読みやすい日本語へ完訳。
地質学から歴史学まで、あらゆる学問の専門家の知見を総動員し、多くの分断を乗り越えて環境危機をファクトフルに考えるための一冊。かりそめの答えに満足できない現実派の読者におくる。
◆そもそも地質年代は誰がどう決める?
◆「大加速グラフ」が示す未来とは?
◆途上国と先進国の分断は乗り越えられる?
◆立場を超えてもつべき新たな「時代意識」とは?
◆人間は技術圏(テクノスフィア)の部品にすぎない?
◆地球の半分からヒトを撤退させるべき?
◆大きな歴史(ビッグ・ヒストリー)は人類を結束させる?
目次
講義1 時代意識としての気候変動
講義2 人間が中心ではなくなるとき、あるいはガイアの残り
日本版特別インタビュー 『人新世の人間の条件』に寄せて
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
53
現代の地層を未来に掘ると、放射能、Co2が異常に高くてブロイラーチキンの骨が大量に出てくるだろう、それを人新世と呼ぼう、といった話。 インドの歴史学者。第1章がやたら難しかったが、2章は割とわかりやすく、3章の対談はとても知的に興味深く面白かった。動物にも文化がある、みたいな話。2023/08/13
いとう・しんご
8
ジャブロンカきっかけ、かな?温暖化の危機を、20世紀初頭の西洋の没落に直面した哲学者(ヤスパース、ハイデガーなど)の思考を参照しつつ検討しようとする内容。一望の視野に収まらない危機、当時にあっては西欧の没落であり原子爆弾、本書にあっては地球環境危機に面して、対立と緊張の中で弁証法的に対話していくことしか方法はあり得ない、というようなお話だと思いました。ハーバーマス的な対話を鍵概念としているところも、そうした理解を支えてくれるのかな、と思いました。2025/08/20
市井吉平
6
学生の頃は、レヴィストロースの訳本とかも分かったようなつもりで読んでいて、そのノリで読んでみたが、正直ほとんど理解はできなかった。たぶん大事なことを言っているのだろうが、前提となる知識もなく、慎重に読んでいく集中力も衰えているということか。だが、人間が気候変動等に影響を与えるくらいになっている今、先進国と非先進国、さらには人間と人間以外の生命・環境という枠組みを乗り越える倫理?のようなものは如何にして可能かということに関わる話をしているのだろうと思った。2023/03/29
mikio
6
1997年の京都議定書における「共通だが差異ある責任」という表現から論考を進める。世界資本主義の不均等かつ不公正な歴史から政治性が際立つ「差異ある責任」に対し、「人間中心的」ではなく「生命中心的」という世界観から、分断された政治的主体の「ホモ」ではなく、惑星の生命の歴史の一部としての「アントロポス」として「共通」の考えのもと時代意識をもち気候変動に向き合うことを論ずる。「人間」「生物種としての人間」「人新世を形作る人間」という3つの異なる主体をもつ我々に、時代への向き合い方の筋道をあたえてくれる。2023/02/12
Hiroki Nishizumi
4
うーん、自明の理を言っているようでもあるが、要はあまりよく分からなかった。2023/03/16
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