集英社文庫<br> 私の家

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集英社文庫
私の家

  • 著者名:青山七恵【著】
  • 価格 ¥847(本体¥770)
  • 集英社(2023/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784087444667

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内容説明

祖母の法要の日、一堂に会した親戚たち。同棲していた恋人から家を追い出され、突然実家に帰ってきた娘、梓。元体育教師、「実行」を何よりも尊びながら、不遇な子供時代にこだわる母、祥子。孤独を愛するが、3人の崇拝者に生活を乱される大叔母、道世。死ぬまで自分が損しているという気持ちを抑えられなかった祖母、照。そして、何年も音信不通の伯父、博和。今は赤の他人のように分かり合えなくても、同じ家に暮らした記憶と共有する秘密がある。3世代にわたる一族を描き出す、連作短編集。

目次

一 家庭菜園
二 嵐
三 お茶の時間
四 星のマーク
五 象の家
六 泥棒
七 山の絵
八 島
九 ここにいる
十 おばあちゃんの日
十一 家路

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

39
60歳になると、私の家族という言葉の内容も重層性を帯びてくる。昭和37年生まれの私が子供だった家族。祖父母や両親等に囲まれた白黒写真。祖父母も両親も亡くなり、私が年長者となり子供や婿たちが今の家族だ。移りゆく鏑木家の四世代。私と同世代の祥子の家族の、母の照の四十九日から始まる一年間を丹念に描く。向田邦子を彷彿とさせるね。祥子の二人の娘になると完全に現代だ。急激に変わった日本人の生活。近くて遠い家族。家も変わった。私の家はどこにあるのか。家にこだわらなかった照と、家にこだわる妹の道世の人生が味わい深い。2023/01/02

ゆきらぱ

30
良かった!とても。話の終わりに私も熱い湯につかり、布団に入った気分になった。最後にある、理不尽であればあるほど、人生には説得力が増す、っていうのは真実かもしれない。何より普段は理不尽な事が起こることを恐れて暮らしているがそう思えば怖くはない。ある家族の物語なのだが脇役は存在しない。皆来る日も来る日もあれこれ考えて人生を重ねてゆく。特に59歳の祥子のキャラが良かった。元体育教師で今もはきはきしているが小さい時に祖父母に預けられた過去にこだわりを持っている。色々な側面を持っていた。2023/07/21

mayu

25
「家」と切り離せない家族の連作短編集。失恋をきっかけに実家に戻ってきた梓、一児の母の姉の灯、縁も繋がりも無いシングルマザーの世話を焼く母親の祥子、無人の家に通う父。毎日訪ねてくる常連さんの相手をする叔母の道世、母の姉の純子に行方不明の兄の博和。自分にとっての「家」ってそれぞれ。母の気持ちは中々娘にはわからなかったりする何気ない日常の積み重ねは家族ってそうだよなと思わせる。実家を出たら帰っても住んでる時とは違う気持ちになるなぁと思ったり。法事から始まり、法事で終わるのが良かった。2023/02/08

ひでお

8
家、という言葉に多層的な意味が込められているように思います。住まいとしての家、血縁としての家、そして自分の心の拠り所としての家。そんないろいろな意味の家をめぐってある家族の物語が紡がれる作品です。家族のつながりは、普段の生活ではあまり意識しませんか、深く掘り下げるとやっぱりつながっているのかな、とふと思いました。2023/09/21

みどりまま

3
たとえば今日、これから家に帰り、お茶を飲みながら新聞のテレビ欄なんかを眺めているところに『ただいま』と声がして、あの子たちが廊下を駆けてくる、ランドセルの中身がカチャカチャ鳴り、洗面所からはジャージャー水が流れ始める、そんなことはもう起こらないのだろうか?」 本当に、子どもが小さいときは、大変だった。でも もう、その頃にはもどれないのですね。 今ならそんな日常は幸せだとわかるんだけど。 本当に話すべきことなんて、ほとんど話されたためしがない。肝心なことは何も掴めなくてもそれでも目に見えない塵が2024/01/23

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