内容説明
新宿歌舞伎町で拠点を構え、5万人以上の社会弱者を救済してきた「日本駆け込み寺」代表の玄秀盛氏が、千日回峰行を二度満行した大阿闍梨・酒井雄哉師(2013年9月23日に遷化)と交わした師弟問答を振り返る。師と交わした会話や問答について多くを語ってこなかった著者が、悩み苦しみ、自他の命を軽んじる事件の絶えない現代社会の実情を受け、「今こそ、オレに遺してくれた阿闍梨サンの言葉を伝えたい」と師匠との逸話を紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
41
あまりにも、深く、広い大阿闍梨のお言葉。とても平易な言葉でありながら、考えさせられる。自然の風にたゆとう柳のようであり、余韻が広がる言葉の数々。まずは、あるがままを受け入れ、そこから考える。その人の背中を見ると、よくわかる・・というのが、響く。言葉の意義。自分の言葉で語ることの意義を、ますます考え痛感していることもあり、背中を押していただいたように思う。人は、見ているようで、見られているのだということも。2023/06/15
すうさん
7
酒井さんの言葉は胸に刺さるな~。著者である弟子の玄さんの質問がストレートなので、私達にはものすごく分かり易い。誰だって酒井さんのことを知らなかったらこんな風に尋ねるだろう。正しいことはわかっていても実践や実行、継続できないのが我々だからだ。得度はしたものの出家することなく商売も続け、さらに歌舞伎町に利他のための「駆け込み寺」を開設した玄氏こそ、酒井さんの想いを在家で実行した素晴らしい見本だとおもう。酒井さんのように聖人にはなれないが、すこしでも善行を実践したいと思った。きっと利他として何かができるはずだ。2019/07/03
書の旅人
3
「誰かの道をなぞる必要はない。ワシの道をなぞる必要もない。ワシはお前の行く道の辻々に立ってる。そこまでお前が来ればワシがおる。お前もそういう人間になったらええ」“仏教”の真髄とは、人と人の関わり方にあるものと私も感じました。お金ではない、モノでもない、肩書などでもなく、まっさらな状態での人との繋がりの尊さを、“仏教”は示してくれているように思えました。2022/10/20
Go Extreme
3
お経で人が救えますか? 悪人を救う意味があるんですか? 命ってなんですか? 生き仏ってなんですか? 欲って、持ったらあかんのですか? 千日回峰行をやったら何が分かりますか? 得度して何か変わりますか? なんでオレを先達にしたんですか? 信仰心ってなんですか? 金儲けは悪いことですか? 一日一生ってどういうことですか? 空って何ですか? なぜ答えを教えないんですか? なんで勉強せんとあかんのですか? 観と見はどう違うんですか? 生まれてきてよかったんかな? なんで、きついのに歩くんですか? 2021/03/07
ハザマー
2
金の猛者と言わ嫁子供あり、愛人あり、債権回収業の弟子との面白い直球の質疑が面白いね。 2020/12/11