内容説明
本書は鳩摩羅什訳『法華経』全28品を現代語訳したものです。多くの『法華経』翻訳本は日本語になっていないと語る著者は、「誰もが気軽に読めて、楽しめる日本語訳をつくりたい」と訳出に挑みました。そのために、①会話文の話者が誰なのかを明確にする、②散文(長行)の内容を繰り返している韻文(偈文)は訳さない、③教学的な解釈には踏み込まない、などに配慮するとともに、巻末に用語解説を付しました。小説を読むように読み進められる、斬新な翻訳『法華経』です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
16
簡単に言えば、法華経を信じる人は幸せになる、ということである。 法華経に関しての本はこれで2冊目だが、正直法華経が具体的に何を説いているのかがさっぱりわからない。 大乗仏教の人間の創作色がとても濃く、かなり小乗仏教ならびに小乗仏教徒を攻撃している。 しかし、ここに出てくる魔訶迦葉や目連は、お釈迦さまと実際に行動を共にした愛弟子である。 一緒に行動しながら、お釈迦さまが彼らに嘘ばかり教えていたとは到底考えられない。 読みやすい本ではあるが、やはり法華経の何たるかが私には理解できないのだ。 ★★★2021/03/28
ジャズクラ本
15
家が日蓮宗のために家族の死で7日毎に読むことになった法華経。父のときは訳もわからず読経していたが、いい加減内容くらいは把握しておきたいと思って手に取った。母の他界直後は身に沁みる思いをしたものが、日が経過するにつれて直截的で即物的なものに思えてきた。どんな書物も受け取る側の感度が高くなければ単なる言葉の羅列になってしまうということか。方便品第二、如来寿量品第十六、如来神力品第二十一、観世音菩薩普門品第二十五、女性は提婆達多品第十二がよく読まれるようだが、個人的には比喩品第三と信解品第四の比喩を面白く感じた2024/03/23
かに
5
宮沢賢治の他者のために生きるという考えを法華経から得たという話を聞いて読んでみた。私の理解が足りないのか、教え的なものはなかなかわからなかったため、また別の本を読んで学んでみようかと思う。こうすればこういうのを得られますみたいな感じで書かれており、大衆に理解してもらうための方便だとは思うが、原始仏教とは違うのだなと感じた。2023/01/31
マウンテンゴリラ
1
『法華経』については、これまでにも翻訳書や解説書を読んだことはあったが、平易さと言う点では、申し分がないものであった。しかし、これほどまでに噛み砕いた現代語訳で示されると、経典の特徴である、荘厳さや壮大さが、逆に失われるといった印象も、率直に言うと感じた。しかし、深い神秘性や思想性というものが、そもそも現代人に植え付けられた後付けのイメージであった、と言えるのかもしれない。本書は、そのようなことも含め、法華経を先入見無しの丸裸状態で訳出した、という意味において、貴重なものであるとも感じた。→(2)2021/01/19
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