内容説明
本書は“二つの法華経”という枠組みに基づいて、12の視点から〈法華経〉(=大宇宙の真理)のメッセージを解き明かそうとするものです。その核心について著者は、〈法華経〉は分からないというところから〈法華経〉への信仰が始まるのであり、この信仰は私たちに人生をどう生きればよいかの示唆を与えてくれると言います。『〈法華経〉の世界』、『『法華経』日本語訳』に続く、著者による『法華経』三部作がここに完結します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
18
のんびり、ゆっくり歩いていこう⇒人生をそうして送っていこう、という考え方には大いに賛同する。昔はずいぶんとマアあくせくしていたもんだ・・、今も全くそういったことがないとは言えない。今もそういったことがあるということは、この「法華経」でいう仏の道に向かっていないということだが、向かえない自分を強く感じる。こういった私を救っていただけるのですかいな?そのためには「信じること」らしいのだが、その「信じる」ことができない・・。ひろさんの法華経三部作をすべて読んだが、未だに法華経のありがたみがわからない私。 ★★★2021/08/24
ジャズクラ本
9
引き続いて法華経の解説本。実は現代語訳より先に手に取ったのは本書だったが、まずは直訳を読んでからということで本書は後回しとした。さすがは仏教研究者。同じ法華経から僕の何倍も深いところを読み取っている。そしてうちの殊勝寺の坊さんの解釈のみならず、多くの学者すらも誤解していると言い切る論は実に稀有壮大。表面的にしか読めなかった法華経が生き生きとした思想論として光芒を放つ。特に提婆達多品の解釈は爽快極まりない。これで意味も解らず唱える毎月のお定飯(中部地方の言葉らしいですね)での後ろめたさが幾分晴れそう。2024/03/24