内容説明
心理学者の上出寛子氏が、世界的なロボット工学者であり仏教思想家の森政弘氏との出会いを契機に仏教を学び始め、ついに「免許皆伝」となる――。
本書は二人の「師弟」間に交わされた3年4ヵ月、計600通を超える電子メールを約200通に抽出・凝縮して、時系列に配列したものです。「論理」を拠り所とする科学者が「矛盾」をはらむ仏教(宗教)をどう受容していったのか。ロボット工学のみならず、様々な学問・学術・技術と仏教との架け橋としての一冊。
理工系の研究者や技術者、次代を担う学生にお薦めの仏教哲学入門書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sheemer
15
工学博士でロボコンの創始者、かつ仏教・禅研究者の森政弘とロボットの安心にアプローチした上出寛子の3年に亘るメールのやり取り。上出が仏教について学びながら、工学畑の研究者たちに仏道とその工学との関わりを二人で説いていく。本質は「二元性一原論」の解説。鈴木大拙や道元、マインドフルネスなどについていくらか知っていると納得感がある。仏教への入口のオリエンテーションにもいいと思う。悩んでいるのは人間だけで物はすべて仏性だ、というのは強烈にその通りだ。工学系で「へん、仏教なんざ…」と思っている人に特にお薦めしたい。2023/11/14
izw
9
ロボットと仏教という一見何の関係もなさそうなタイトルに惹かれて、手にとったが、読み始めたら、非常に面白く、集中して読み進めた。まえがきの数行を読んで、森先生がロボット工学の権威、上出先生が若い心理学者ということで、仏教に詳しい上出先生が森先生からロボット工学について教えを請うのかな、と思ったが、森先生が仏教に造詣が深く、上出先生が仏教の本質とロボット工学の関わりを会得していくメールのやり取りであった。「二原性一原理」「三性の理」など、「仏教」が、工学・科学には必要な考え方を提供してくれることが納得できる。2018/12/17
ばにき
3
主観的な文章で楽しめた。ロボット工学だと倫理の問題があるのでマッチするのだろう。2019/12/06
MADAKI
2
【仏教思想の入口として】 ロボット工学の碩学森正弘と、心理学的なアプローチからロボットと人間のかかわりを研究する上出寛子の往復書簡を書籍化したもの。仏教にも造詣の深い森から、上出にその教えを説くもの。名前ぐらいしか聞いたことのない「正法眼蔵」などの古典的な思想もたとえ話を用いてわかりやすく紹介され、仏教的な考え方に興味を持つ入口となった。ただしタイトルにもなっているロボット工学との絡みはコンセプチュアルに語られるにとどまり、さほど深入りされない。2022/09/18
hide_kba
1
技術至上主義、効率至上主義の先には破滅しかない。仏教哲学は、そんな技術者を救うため、よくマッチする。 仏教以外に救う道がないわけではないが、これからの技術者は、技術だけを考えていてはいけない、そう感じた。2019/07/24
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