建築と触覚:空間と五感をめぐる哲学

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建築と触覚:空間と五感をめぐる哲学

  • 著者名:ユハニ・パッラスマー【著】/百合田香織【訳】
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 草思社(2023/01発売)
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  • ISBN:9784794226167

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内容説明

すべてが視覚情報化され消費されていくかのような昨今、
建築が本来もつ「五感を統合する」という役割を今こそ見直すべきである。

メルロ=ポンティ、バシュラールらの議論を踏まえながら、
建築における触覚、聴覚、味覚、嗅覚の重要性を再考し、
あるべき本流の空間とは何かを問う。
ラスムッセン、クリスチャン・ノルベルグ=シュルツらの精神を継承する、
北欧の最重要建築理論家による著、待望の邦訳。

スティーブン・ホール推奨。
「パッラスマーは単なる理論家ではない。
現象学的に洞察する力をもつすぐれた建築家だ。
分析不可能な諸感覚の建築を実践に移し、
その現象学的な性質でもって自身が建築哲学について著してきたものを具象化している。」

世界的建築情報サイトArchiDailyが選ぶ、名建築書ベスト150に選出。

<目次より>
前書き 「薄氷」スティーブン・ホール
序論 世界に触れる
 
第一部
視覚と知識    
視覚中心主義への批判
ナルシストの眼とニヒリストの眼
声の空間と視覚の空間
網膜の建築、立体感の喪失
視覚イメージとしての建築
物質性と時間
「アルベルティの窓」の拒絶
視覚と感覚の新たなバランス

第二部
身体中心  
複数の感覚による経験  
陰影の重要性  
聴覚の親密さ  
静寂、時間、孤独  
匂いの空間  
触覚の形状  
石の味  
筋肉と骨のイメージ  
行為のイメージ  
身体的同化  
身体の模倣  
記憶と想像の空間  
多感覚の建築  
建築の役割

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

72
建築家・デザイナーでもある著者ならではの建築に対する見方がわかる本。従来の見方は視覚的要素が強いが、もっと建築を五感で感じようという意識づけの啓蒙書。日常生活の例えば建物をチラ見しながら歩行していても気づけ無いが、言われてみれば自分も建築をじっくり眺める時は、パティオで日差しから温もりを感じたり、外壁を触って質感を肌で感じたりしているので自然な感覚である事を再認識した。本の内容は哲学的側面を持ちつつ、詩的であったり、生活感を感じさせる指摘があったりして分かりやすく理解できるのも良い。2024/02/08

ひめぴょん

12
住まいとは身体と記憶とアイデンティティの守られる場所。建築の根源的な役割は世界と私たち自身、過去と現在と未来、人の集まりと個人、そして物質的なものと精神的なものとの間を取り持つこと。そうした詩的な本質を探る本。立ち止まりながらじっくり読む本。深遠な世界観でちょっと難解でした。以下は文中引用とミニ感想です。 森の中を散歩すると爽快で心が癒されるが、これはすべての感覚モダリティが絶え間なく相互作用するため(「五感のポリフォニイ(パシュラール)」)。 建築は基本的な五感だけでなく、互いに作用し合い融け合ういくつ2024/02/06

がっちゃん

2
ドアハンドル。握手。出会い。2024/06/03

takao

1
ふむ2024/11/24

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