講談社選書メチエ<br> 聖書入門

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講談社選書メチエ
聖書入門

  • ISBN:9784062586429

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内容説明

アダムとエバ(イブ)の創造、「ノアの箱舟」、「バベルの塔」、シナイ山でモーセが神と交わした「十戒」など、旧約聖書にはよく知られた逸話が数多く登場します。また、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる四つの「福音書」に始まる新約聖書も、「最後の晩餐」、イエスの処刑など、印象深い記述に事欠きません。
しかし、旧約と新約を読破したことのある人は、どれくらいいるでしょうか。クリスマスに代表される聖書に基づくイベントになじんでいる日本人の多くにとって、聖書そのものは決して身近なものではないと言わざるをえないのではないでしょうか。そして、そのことはキリスト教文化圏であるフランスでも近年は変わりないようです。
本書は、そのような現状を前にしたパスカル研究の第一人者が、一般の読者のために書き下ろした概説書です。旧約・新約を構成するすべての書を万遍なく紹介するとともに、重要なエピソードや預言者などの主要人物については別個に取り上げて分かりやすい説明が加えられます。その上、それぞれの書が西洋文化の中でどのように用いられ、息づいているかが、文学、絵画、音楽、演劇、映画など、多彩なジャンルの具体的な作品を通して示されます。ブリューゲルの《バベルの塔》、ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》、バッハの《マタイ受難曲》など、有名な作品のみならず、西洋には聖書に想を得た作品が無数にあることを知れば、聖書がもつ力の広大さと奥行きを実感することができるでしょう。
フランスの碩学がガイドを務める聖書の旅へ、一緒に出かけましょう!

目次

日本の読者への序文
緒 言
プロローグ 書物の中の書物
ユダヤ教聖書──キリスト教徒にとっては旧約聖書
第1章 『創世記』または起源の書
第2章 荒野の横断
第3章 歴史書
第4章 預言者にして作家
第5章 詩の書
第6章 知恵に関する書
新約聖書
第1章 新約の極致──四福音書
第2章 イエスの生涯と芸術──幼年時代と公生活
第3章 イエスの生涯と芸術──キリストの受難-復活
第4章 『使徒言行録』
第5章 手紙または書簡
第6章 『ヨハネの黙示録』
エピローグ
聖書と文学の重要な交差点
参考文献
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

かおりんご

34
入門書だったけれど、ちょっと難しかったです。始めに概要を書いてから詳しい説明になるので、その形式がつかめないうちは読みづらかったです。ただ、絵画との結び付きや宗教音楽との関連などが紹介されていたのはよかったかな。2017/02/20

masabi

24
【要旨】聖書のエピソードと文学や芸術との関わりを交えた聖書入門。【感想】「創世記」から「ヨハネの黙示録」、書簡まで正統と認められたものの解説が続く。ヨーロッパの源流の1つであるキリスト教の聖書について概観することができてよかった。2017/03/10

またの名

11
もともと人名なのに普通名詞として「ユダ」が仏語で裏切者の意味になっている、切ない歴史。他に、イエスを釈放しようとしたが群衆の反発を見て翻意したピラト提督にちなみ「ポンシオ・ピラトを演ずる」が善に与する勇気のない人を指すなど、フランスや欧州の文化に根付いた側面を多く記述。聖書と同時に仏語蘊蓄を学べるという利用価値は大きいものの、著者自身の強い聖書肯定の姿勢とサービス精神に溢れる誇張がないレジュメ的なまとめ方は、日本の読者に親しみ易くはないかもしれない。他の方も指摘されるように、整理とまとめ用に使うのが吉。2018/07/10

Nwshina

9
七時間半ほどで読了。聖書について述べた本。…ようやく読了、何日もかけて楽しめた。僕は宗教知識といえば、学校で履修した程度。そんな初心者な僕ですらとても夢中になれた。他にも気になる書物が登場した為、この本だけで終わらないのだ。『すなわち、真に人間として生きることの深い理由と理想は-一見したところでは違うように見えても-愛にある』、『聖書と科学は、そもそも対立することができない。それぞれが正当性をもつ領域がある』…どちらも印象的で興味深い。愛の定義によっては意味も変わるだろう。聖書を知りたい方へ、信仰の一冊。2022/03/05

trazom

8
訳者によると、この本は「まだ読んだことがない人に説明する聖書」というタイトルでフランスで刊行されたものとあるが、聖書の内容を知ってる者には少し冗長に思える理由が、それで納得。でも、各書を題材とした芸術作品の紹介など、セリエ教授独特のコメントがあって面白い。ヤコブの息子のヨセフがパスカルに与えたインスピレーション、「コヘレトの言葉」から詩を採ったブラームスの「四つの厳粛な歌」に込められた意味、四人の福音記者の特徴、マグダラのマリアの人物像とバロックの創造性との類似など、ハッとするような指摘に溢れている。2017/02/13

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