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内容説明
車の中で寝泊まりし、行方不明の親を待ち続ける姉妹……。おずおずと手を差し伸べる主人公……。豊かに見える日本社会のひずみを受け、満足に食事をとることのできない子どもたちがいる。苦しい状況の中にも光を見つけ、前を向いて歩き出す子どもたちと支援者たちをえがく。話題の映画『こどもしょくどう』(監督:日向寺太郎)のノベライズ単行本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
66
今、すぐ身近にあるはずの子どもの貧困に、ぼくらは果たしてどれほど気がついているのだろう。もっと大事なことは、個人や社会はこの問題にどのように取り組めばよいのかということ。主人公である小学生のユウトにできたことは、せいぜい自分の父母に理解してもらう程度のことだったが、でもその訴えに対して、父母は実にみごとな対応をしてくれた。並の大人にできることではない。もちろんこれは創作であり、現実には助けてもらえない子どもが多く存在している。この困難な問題をよい方向に変えていくためにも、この作品は読まれるべきだ。2021/01/29
たまきら
36
映画をノベライズした本です。食堂の息子さんと、大きいけどいじめられっこの男の子。車で寝起きする親子。様々な救済システムがあるはずだけど、孤立してしまう。無視されがちな存在へ目を向け、できることをしたい。不器用に、でもいっしょうけんめい行動するこどもたちがいじらしいお話でした。貧困家庭。ネグレクト…。古い町で暮らしながら同じ気持ちの人たちがいることをかみしめました。2020/03/03
じょうき
17
図書館本。長男の読書感想文の手伝いを兼ねて。映画のノベライズで児童向けなこともあり、さらりとしているが、子供の視点から描かれていることで、問題を浮き彫りにしている。大人であれば仕方がないと目を背けてしまうことも、子供だからこその真っ直ぐさで、逃げられない。自分にできることは何か。この社会で何が起こっているのか。考えること、知ろうとすることが大切。長男にも、読書感想文のためというだけでなく、何か感じとってほしいと思う。2022/08/17
杏子
15
映画『こどもしょくどう』ノベライズ。こんな子どもがいる現実もあるのだろう。知らないだけで。子どもがお腹いっぱいご飯を食べられないのはつらいね。2020/01/25
ヒラP@ehon.gohon
14
自分の知っているこども食堂とは距離感のある内容では有りました。 でも、親から取り残された二人の姉妹がどうなっていくのか、ユウト、タカシや、他の登場人物の絡み合いに興味を持ちました。 こども食堂の趣旨としては理解できるのですが、実情とマッチングできているのかちょっと疑問が残りました。2019/10/03