内容説明
「はよ舐めんと死んでまうち。
ムシに憑かれたら……」
九州地方のある集落の禁忌。
辻に潜むヒイムシとは…
「ムシが憑く」より
田舎の奇怪な習俗と郷土史に絡む因縁。
底冷えの土着=ヴァナキュラー怪談!
実話怪談コンテストで地方の習俗に根差したヴァナキュラーな怪を描き一躍注目された著者が放つ待望のデビュー作。
・九州のとある地方に存在する魔の辻。突然息ができなくなるのだが、その原因は…「ムシが憑く」
・集落で人が亡くなると初七日まで女性が手鏡を隠し持たねばならない風習。
鏡を他人に見られると恐ろしいことが…「鏡の中のパクパク」
・中国地方のトンネルを出たところに立つお地蔵さま。
交通事故の慰霊に建てられたというが、異様に劣化が速く…「増えていく」
・田んぼの畦で孤独な転校生と遊んでくれた青年たち。
だが、そこは旧日本軍の霊が出ると噂の一帯で…「竹とんぼ」
他、大分県をはじめ各地で採話された土俗的な怪談全27話話収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
高宮朱雀
12
大分在住の作家さんが知人や読者から伝聞した地域に根ざした奇妙な話や経験を纏めた一冊。どれだけ開拓や区画整理等で街並や様相が変わっても、決して動かせない“確固たる何か”の存在をひしひしと感じざるを得ない。 自分には霊感なんてないから大丈夫という人がよくいるが、奇妙な経験なんてそもそも霊感の有無ではなく、ラジオの電波のように偶然、波長が合った事による結果論でしかないと私は考えている。ま、一生忘れられるものではないのが難点と言えば難点だが…。 個人的に最後の竹とんぼの話が甘苦くて好きだ。2023/06/13
qoop
12
著者紹介によると音響系の仕事をされておられるそうだが、頻繁な改行は文章より語りとしてのリズムを再現する上で有効な手法なのかも。音響にまつわる話が目立つし、興味を引かれた。中でもフィールド・レコーディングの怪談は意外な展開で印象に残る。人里から離れた地に分け入って聴く怪異も、決して人跡未踏の地の謎という訳ではないのが驚かされもするし、頷かされもするな、と。2023/01/31
eyemu
8
田舎生まれ、田舎育ちだけど、あんまり身近な怪談ではなかったなー。 うちの田舎はそんな怪奇は無かったなぁ…という感想です。2024/05/27
misui
7
帯がおどろおどろしくて手に取りかねていたけど読んでみれば私好みの渋く淡い怪談本でした。大分県民なら誰でも知ってる仏崎の怪談が取り上げられており、その話中で信仰を怪談として消費していいのかというジレンマに触れ、それは本書全体を通じてひとつひとつの体験に向き合う態度にも表れています。ギリギリ成立しているかいないかみたいな話もフラットに取り上げられていて、ことさらに怪談として背景を追求しすぎないのがまた趣深いんですよね。しみじみと良い本です。2023/02/06
ラルル
6
人から聞いた怪談話が書かれたかと思えば、急に土地の伝聞になったりと文章に纏まりが無く読みにくい。話の内容云々ではなく文章力・まとめる力の問題。もったいない2025/06/10
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