ちくま文庫<br> 快楽としての読書 日本篇

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ちくま文庫
快楽としての読書 日本篇

  • 著者名:丸谷才一【著者】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2023/01発売)
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  • ISBN:9784480429346

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内容説明

丸谷書評は、読むに価する本の魅力を、普通の読者に向けてすっきりと語る。そして読者を本屋さんまで走らせる。読書共同体のための本の評判記にして書物の買物案内―そんな見本が123本。石川淳、大岡昇平から池澤夏樹、村上春樹まで、王朝和歌から谷川俊太郎まで、広辞苑、日本国語大辞典から絵本まで。ジャンルを超えた最高必読の本を推薦する文庫オリジナル第1弾。

目次

I 書評のある人生/書評と「週刊朝日」/扇谷正造と齋藤明が作つたもの/書評の条件/II 書評122選/危険な日記 朝日重章/塚本学(編注)『摘録 鸚鵡籠中記』/話術と散文 池内紀『諷刺の文学』/自然と人間の研究 池澤夏樹『母なる自然のおっぱい』/姉いもとは巫女 池澤夏樹『花を運ぶ妹』/鬼平がぶらりとはいる料理屋の主人たち 池波正太郎『散歩のとき何か食べたくなって』/漱石を入社させた男 池辺一郎、富永健一『池辺三山』/詩文繁昌記 石川淳『文林通言』/遊民であること 石川淳『江戸文學掌記』/暗号解読者としての批評家 磯田光一『永井荷風』/花鳥諷詠 稲畑汀子(編)『ホトトギス新歳時記』『大きな活字のホトトギス新歳時記』/黒板のない教室 井上ひさし『私家版日本語文法』/戦後日本最高の喜劇 井上ひさし『父と暮せば』/前近代の小説 井原西鶴/吉行淳之介(訳)『好色一代男』/社長と盲腸と符丁 岩波書店辞典編集部(編)『逆引き広辞苑』/北朝の天皇歌人 岩佐美代子『光厳院御集全釈』/この運命の組合せ 宇野千代『或る一人の女の話』/複雑な時間をあつかつた恋愛小説 大岡昇平『愛について』/デンマークの王子 大岡昇平『ハムレット日記』/雲に翔ぶ鳥 大岡信『草府にて』/天神さんがなぜ学問の神様になつたか 大岡信『詩人・菅原道真』/野守は見ずや 大岡信『私の万葉集』/日本語を見わたす 大野晋、佐竹昭広、前田金五郎(編)『岩波古語辞典』/原日本語とタミル語とそして…… 大野晋『日本語の起源 新版』/あの特殊な職業のすべて 大野正男『弁護士から裁判官へ』/愁ひつつ岡にのぼれば 尾形仂ほか(編)『蕪村全集』/個性を超えたもの 岡本かの子『生々流転』/謎ときをする学者 笠谷和比古『関ヶ原合戦』/談笑と雑学と思考の教師 鹿島茂『セーラー服とエッフェル塔』/金 風から扇まで 狩野博幸、奥平俊六、安村敏信(編)『琳派美術館』/龍と藝者 金関丈夫『長屋大学』/往古が現今と出会ふところを求めて 川村二郎『河内幻視行』/逸民そして市民 菅野昭正『永井荷風巡歴』/妹のためのおむすびにはじまる 斉須政雄『メニューは僕の誇りです』/花形記者の条件 斎藤信也遺稿追悼集編集委員会(編)『新聞記者 斎藤信也』/硯友社の末裔 里見弴/武藤康史(編)『秋日和 彼岸花』/恋をした猫は一回だけ死んだ 佐野洋子『100万回生きたねこ』/ヴィッカス・ホールの花 篠田一士『現代詩大要』/子規の門人 柴田宵曲『古句を観る』/作曲家にして知識人 柴田南雄『聴く歓び』/国語辞典プラス百科事典プラス新語辞典 新村出(編)『広辞苑(第四版)』/つゆの世 須賀敦子『ミラノ 霧の風景』/詩人は人生を二度生きる 薄田泣菫『茶話』/劇団四季と新劇と 諏訪正『ジュヴェの肖像』/風雅な暮し方の最上の教科書 杉本秀太郎『文学演技』/偉大なジャーナリスト 杉森久英『小説 菊池寛』ほか/離陸そして飛翔 瀬戸川猛資『夢想の研究』/地霊によつて祝福される恋 高樹のぶ子『透光の樹』/ヒロイックな批評家 高崎俊彦『平野謙閑談』/ジャポニスム 高階秀爾『日本美術を見る眼』/劉邦から毛沢東まで 高島俊男『中国の大盗賊』/学校では教へてくれない文学史 高島俊男『漱石の夏やすみ 房総紀行「木屑 」』/西郷も大久保も食べた 高田静『さつまあげの研究』/夜になれば川は満身に星を鏤める 多田智満子『長い川のある國』『十五歳の桃源郷』/狭い江戸には住み飽きた 田中優子『江戸百夢』/灯の色がはたちではない戎橋 田辺聖子『道頓堀の雨に別れて以来なり』/もう一人の白秋 谷川俊太郎『日々の地図』/恋の共同体 谷川俊太郎『女に』/わけのわからない印刷物の研究 谷川俊太郎、斎藤次郎、佐藤学『こんな教科書あり?』/歌人の休日 塚本邦雄『ことば遊び悦覧記』/彼の王朝秀歌選 塚本邦雄 撰『清唱千首』/歴史への呪詛 辻邦生『背教者ユリアヌス』/作家の批評 辻邦生『トーマス・マン』/不機嫌といふ時代病 津田左右吉『文学に現はれたる我が国民思想の研究』/自殺願望者の陽気な余生 筒井康隆『わたしのグランパ』/白河法皇の情婦 角田文衛『椒庭秘抄 待賢門院璋子の生涯』/卑弥呼から久美子まで 角田文衛『日本の女性名』/藤原氏の日本 角田文衛(監修)『平安時代史事典』/学術的な遊び 東京サザエさん学会(編)『磯野家の謎』/諷詠十二ケ月 東京大学出版会(編)『詞華集 日本人の美意識』/サロンの主宰者 鳥居民『横浜富貴楼 お倉』/史伝と評伝との統合 中村真一郎『頼山陽とその時代』/小夜まくら 中村真一郎『江戸漢詩』/正宗白鳥 小林秀雄的風土に逆らつて 中村真一郎『再読 日本近代文学』/物語としての同時代史 中村隆英『昭和史』/日本的思考の研究 中村元『インド人の思惟方法』ほか/老賢者の講義 中村元『人生を考える』/萩すすき 中村幸彦『此ほとり一夜四歌仙評釈』/民族の記憶ををさめる仄暗い倉庫 『日本国語大辞典(第二版)』/「もののあはれ」と「もののまぎれ」 野口武彦『「源氏物語」を江戸から読む』/随筆と批評の間 野口冨士男『わが荷風』/幸福な外交官 萩原延壽『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄』/駒のいななき 橋本進吉『古代国語の音韻に就いて』/酔つて沙場に臥す 服部南郭/日野龍夫(校注)『唐詩選国字解』/萌葱と柿と黒 服部幸雄、富田鉄之助、廣末保(編)『歌舞伎事典』/日本詞華集 樋口芳麻呂(校注)『王朝秀歌選』/生きとし生けるものいづれか歌を 樋口芳麻呂、後藤重郎(校注)『定家八代抄』/戦記物藝能と体制 兵藤裕己『太平記〈よみ〉の可能性 歴史という物語』/十六番目の勅撰和歌集 深津睦夫『続後拾遺和歌集 和歌文学大系9』/趣味性と学問性と 福永武彦『異邦の薫り』/おわあ、こんばんは、おわああ 富士川英郎『萩原朔太郎雑志』/実景実感 富士川英郎『菅茶山』ほか/世紀末文学の師 富士川義之『ある唯美主義者の肖像 ウォルター・ペイターの世界』/ある名探偵の自叙伝 藤森照信『タンポポの綿毛』/月夜の逢引き 古橋信孝『古代の恋愛生活』『古代和歌の発生』/時代の雰囲気のなかで 『編年体 大正文学全集』/荷風が尊敬した男 前田愛『成島柳北』/詩人たちの友達 前野直彬『春草考──中国古典詩文論叢』/文化人類学から経済学まで 増田義郎『黄金の世界史』/『広辞苑』以後 『大辞林』『日本語大辞典』/謎とき手法による伝記 松本清張『両像・森 外』/文藝時評の時代から書評の時代へ 向井敏『机上の一群』/「喪失」の研究 村上春樹『スプートニクの恋人』/近代日本文明の出発点 山崎正和『室町記』/新劇への反逆 山崎正和『地底の鳥』『人は役者、世界は舞台』/柔らかい国家観 山崎正和『歴史の真実と政治の正義』/俳諧の楽しみ 山沢英雄(校訂)『俳諧武玉川』/昭和二十年の青春の心理 山田風太郎『戦中派不戦日記』/人麻呂と家持と迢空のリレー 山本健吉『詩の自覚の歴史──遠き世の詩人たち』/「なぞ」の技法 結城昌治『軍旗はためく下に』/ちようどチャンドラーと同じやうに 結城昌治『泥棒たちの昼休み』/随筆集の工夫 湯川豊『イワナの夏』/遅く生れて来た十八世紀人 吉田健一『ヨオロツパの世紀末』/小説への諷刺 吉田健一『瓦礫の中』/桃源郷のトンカツ 吉田健一『私の食物誌』/思ひ出すことの達人 吉田秀和『ソロモンの歌』/日本文化に驚いて 吉田秀和『調和の幻想』/音楽批評の巨匠 吉田秀和『このディスクがいい*25選』/新ハムレット 吉行淳之介『砂の上の植物群』/市民でないこと 吉行淳之介『暗室』/戯画と批評 和田誠『倫敦巴里』/青春そして人生 和田誠『銀座界隈ドキドキの日々』/生活の藝術化 和田誠『装丁物語』/解説 書評の藝の見本帖 湯川豊

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

47
2013.03.13(つづき)丸谷才一著。 2013.03.11 5.戦前の日本にも書評はあった。 6.1951.02『週刊朝日』に『週刊図書館』という書評頁が始まった。 書評要員を人選した扇谷正造は、実に偉かったと思う。 顔ぶれのなかでも、浦松佐美太郎が重要。 7.まもなく42年目迎える『週刊図書館』。 8.『週刊図書館40年』三巻。 ◎扇谷正造と齊藤明がつくるもの。 2013/03/13

i-miya

45
2013.03.04(初読)丸谷才一著。 2013.03.02 (カバー) 丸谷書評は、読むに値する本の魅力を普通の読者に向けた、スッキリとした語で、本屋へ走らせる。 書物買い物案内、123冊。 石川淳、大岡昇平から、池澤夏樹、村上春樹まで、王朝和歌から谷川俊太郎まで、ジャンルを問わぬ最高、心願の書。 2013/03/04

i-miya

43
2013.03.05(つづき)丸谷才一著。 2013.03.05 (索引、つづき) +吉田秀和。 +『こんな教科書あり?』(谷川俊太郎他)。 +中村真一郎『再読 日本近代文学』。 +池波正太郎『散歩のとき、何か食べたくなって』。 +井上ひさし『私家版日本語文法』。 +中村元『シナ人の思惟方法』。 +山本健吉。 +岡本かの子『生々流転』。 +杉森久英『小説菊地寛』。 +中村隆英『昭和史Ⅰ』。 +平野謙『新刊時評』。 +中村元『人生を考える』。 +吉行淳之介『砂の上の植物群』。 2013/03/05

i-miya

42
2013.03.18(つづき)丸谷才一著。 2013.03.18 ◎話術と散文-池内紀『諷刺の文学』(白水社)。 注目すべき才人が出現した。見事な語り。 古代以来の全ヨーロッパにわたるその手の作品を論じている。 長さ250kmの鯨の話。 鯨に飲み込まれ、その腹の中での様子を語る。 ルキアノス『本当の話』。 本論のガリバー旅行記に入る。 「馬の国」。 この若いドイツ文学者の勉強ぶり。 2013/03/18

i-miya

41
2013.03.27(つづき)丸谷才一著。 2013.03.26 石川淳の文藝時評(朝日新聞)→『文林通信』。 川端康成・平野謙型と違う新機軸。 (1)単行本に主眼置いた。 (2)点数減る。 (3)小説減り、批評増える。 (4)学者の文章、扱う。 今日の日本文学が過去とのつながり失っていると嘆き。 小説には、騙されて見るという方法。 2013/03/27

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