内容説明
よく知られた“紅茶とマドレーヌ”やヴァントゥイユの小楽節との再会、海辺の乙女たち、祖母の死――。20世紀最高の小説『失われた時を求めて』から、著者が鍾愛してやまない場面を読み解き、この大作へ読者をいざなう。なぜプルーストはかくも多くの人々を魅了するのか。人間を見る際の認識が精細を極めていることはもとより、知覚対象がもつ生命の再創造を小説の言葉によって成し遂げたこと、それが読む者に精神の躍動、つまりは幸福感をもたらすからである。傑出したプルースト学者が、読書の愉悦をあますところなく伝える珠玉のエセー。
目次
読者に/I 雨上がりの森──序にかえて/II 水中花のように/III 音楽あるいは魂の交流──吉田秀和先生に/IV 夜明けの停車場/V 海と娘と薔薇の茂み/VI オルフェウスの叫び/VII 春の驟雨──井上究一郎先生に/VIII 死の舞踏──野田弘志に/あとがき/解説(野崎 歓)



