ホーム社<br> ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件

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ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件

  • 著者名:橋本治【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 集英社(2023/01発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 810pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784834253580

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内容説明

長らく入手困難だった幻の傑作が遂に復刊!! 僕、分ったんです。人を探るということは、実は、それと同じ分だけ、自分自身を探るということが必要なんだということに。これが僕の探偵法、だったのです――1980年代、東京――東大出のイラストレーター・田原高太郎が、鬼頭家で起こった殺人事件の謎を解く。橋本治による青春ミステリーの傑作! 仲俣暁生氏「では、これから私たちは「なにをしたらよい」のか。その答えは、十年の時を隔てたこの二つの「政治小説」のなかにすでに書き込まれている。」(解説 十年の時を隔てた二つの「政治小説」――――『人工島戦記』と『ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件』より)

目次

Chapter1 なんだかよく分らない前書き
Chapter2 斯くして探偵小説は始まる
Chapter3 斯くして探偵小説は始まった
Chapter4 登場しない私立探偵
Chapter5 『獄門島』から来た女
Chapter6 呪われた一族
Chapter7 まだ起こらない殺人事件の為の、ほんの少しの作戦会議
Chapter8 誰かが何かを待っている
Chapter9 鬼頭家のお茶会
Chapter10 どうして誰も知らないのか──
Chapter11 ハートのクィーンの御託宣
Chapter12 伏線ばかりが多すぎる
Chapter13 空白の一章
Chapter14 謎の刑事、田拝聰一郎
Chapter15 まずは推理のABC
Chapter16 犯人はお前だ! Part1
Chapter17 犯人はお前だ! Part2
Chapter18 どうして僕は人を殺すか?
Chapter19 ああッ! うっとうしいッ!!
Chapter20 なめくじの家
Chapter21 名探偵激昂す!
Chapter22 お通夜の夜
Chapter23 もう一つの昭和史
Chapter24 新たな推理は新たな犯人を導く
Chapter25 早春―または、ビルドゥングス・ハードボイルド
Chapter26 名探偵再びテーブルに着く
Chapter27 いろいろなクック・ロビンの殺され方
Chapter28 無残やな
Chapter29 そして、展開──
Chapter30 虎穴に入らずんば
Chapter31 廃墟へ
Chapter32 もう、そこには誰も住めない
Chapter33 築山御前になれない女
Chapter34 夕方には地震が起こる
Chapter35エピローグ──ふしぎとぼくらはなにをしたのか、そして、ふしぎとぼくらはなにをするのか
本当だったらChapter36になるはずのあとがき
あとがき──『ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件』の著者による
解説 十年の時を隔てた二つの「政治小説」──『人工島戦記』と『ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件』 仲俣暁生

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

167
橋本 治は、学生時代からずっと読み続けている作家でした。未読の本書が復刊されたので読みました。本書は、横溝正史オマージュ青春ユーモアミステリでした。しかし村上春樹まで引用されているとは・・・ https://hb.homesha.co.jp/n/n9f565500703c2023/02/07

えも

23
懐かしいなあ、復刊ですよ。といっても実は読んではいなかったんですけど▼ホント懐かしい。時代背景が高校〜大学時代、文体はあの、嵐山光三郎や椎名誠なの昭和軽薄体。何しろ昭和軽薄体は太宰治の「女生徒」を持って嚆矢とするからなあ(嘘)▼懐かしいのは、橋本さんの言い回し。なんとも含みのある、持って回ったようなアレですよ。それで青春小説と昭和の家族小説をやるんだから、全く懐かしいこと、この上ない♪2023/02/16

A.T

21
不思議なストーリーだ。個人的には似た読後感がこれまで2度くらいあった。同じく橋本治の「草薙の剣」と川端康成「山の音」だ。祖母(祖父)、母(父、叔母)、娘(息子、嫁)がひと家に暮らす家族の世代間の断絶と歴史がテーマ。時は昭和58(1983)年1月15日の成人の日、一家の祖母が絞殺されることから始まる。横溝正史の「獄門島」と「犬神家の一族」、中井英夫「虚無への供物」をオマージュするサブカル風の仕上り、シリアスとおふざけが入り混じる。橋本自身が70年安保に東大生だった「呪われた世代」というのが終生のテーマに。2023/02/18

20
これは1983年に書かれていて、それはわたしの生まれるより10年以上も前で、現在からはだいぶ過去に遡るけれど、まったく古臭さを感じさせない小説だった。橋本治さんの小説は初めて読むけれど、文体にもすぐに慣れて、ちょっとふざけているようなところも愛おしく感じる。余談だと思っていたところが実はこの小説の重要な部分で、余談だと思って読み飛ばさなくてよかった。ページ数は多いけど読むのが楽しくてあっという間で、終わるのが少し寂しい。終わってほっとしている気持ちもあるけれど。こういう名作がまた復刊してくれたらいいな。2023/09/09

練りようかん

10
著者自身を思わせる主人公だが、小説家ではなく探偵やってたってその他諸々設定が可笑しい、取り敢えず騙されちゃってくださいとあったので飲み込む。このノリがいいなとワクワクした。コンセプチュアル・アートの図がかわいい。昭和58年1月の出来事を4月に書くという形式で殺人事件が展開、しかし推理の対象は僕が書こうとしてることで犯人じゃないことにえー!っとなる。遊びと真面目の同居、横溝ミステリと橋本ワールドの融合、特に“殺人事件に於ける都市と記号論”が面白かった。探偵側の都市に丸ノ内線の大学街を絡めたのが流石の着想だ。2024/04/23

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