性暴力をめぐる語りは何をもたらすのか - 被害者非難と加害者の他者化

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性暴力をめぐる語りは何をもたらすのか - 被害者非難と加害者の他者化

  • 著者名:前之園和喜
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 勁草書房(2023/02発売)
  • ポイント 28pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326654376

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内容説明

性暴力の被害者・加害者、そして両者の関連において性暴力はどのように表象され、イメージされているのか。人々は性暴力に対してどのような意識をもち、それは男性と女性ではどう異なるのか。日本語メディアにおける性暴力の語られ方と、そこに現れる「性の二重基準」の分析を通じ、言説からたちあげられる「わたしたち」の意識を問う。

目次

序 章 性暴力をめぐる語りを分析する
 1 被害者と加害者はどう語られてきたか
 2 語りの四タイプ─性暴力をめぐる語りの分析図式
 3 加害者と被害者の組み合わせから何がみえるか
 4 語りの複層性を読みとく

第一章 〈真の性暴力〉とその語り──加害者の他者化と被害者非難の消去
 1 沖縄アメリカ兵少女強姦事件
 2 奈良女児殺人事件
 3 広島女児殺人事件
 4 特急サンダーバード号強姦事件
 5 マスター・ナラティヴの規定力と被害者非難の消去
 6 少女が殺人かつ性暴力の被害者となった事件にみられる特徴:ジェンダーの消去

第二章 被害者非難はどのように生まれるのか──〈真の性暴力〉五条件と語りのゆらぎ
 1 帝京大学ラグビー部集団強姦事件
 2 スーパーフリー事件
 3 京都大学アメフト部集団強姦事件
 4 東大事件・慶大事件・千葉大事件
 5 被害者非難はどのように生まれるのか
 6 性暴力被害のあいだの序列

第三章 性暴力をめぐる語りから立ちあげられる「わたしたち」
 1 被害者と加害者の語られ方─ラベリングされる側の分析
 2 性暴力から距離をとる「わたしたち」─ラベリングする側の分析

第四章 性暴力をめぐる語りと「性の二重基準」
 1 女性の二分化─「性の二重基準」の女性への適用
 2 支配の維持・再生産─「性の二重基準」の男性への適用
 3 「性の二重基準」がもたらすもの

終 章 加害を生まないために
 1 「わたしたち」を問うこと
 2 さらなる研究の発展に向けて
 3 加害を生まないために

あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しじま・炎のラニーナchang

2
ベタ読みする段階じゃなくなったから日が空いた。先行研究のまとめとしての側面あり。2022/11/06

たろーたん

1
性暴力は「凶暴で他者化された加害者と無垢な被害者」の類型だけではなく、「無垢な加害者と誘惑した被害者」や「他者化された加害者と誘惑した被害者」「一般人のような加害者と無垢な被害者」などバリエーションが多くあり、それを四類型で整理したまでは分からなくはなかった。しかし、そこから様々な実例をこの類型で分ける著者に対して思ったことは「だから何?」。色々な語りが見られる、別の関係で語られることがある、と言われても、「はぁ、そうですか」としか思えず、あまり面白いものとは思えなかった。(続)2023/04/15

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