内容説明
性暴力の被害者・加害者、そして両者の関連において性暴力はどのように表象され、イメージされているのか。人々は性暴力に対してどのような意識をもち、それは男性と女性ではどう異なるのか。日本語メディアにおける性暴力の語られ方と、そこに現れる「性の二重基準」の分析を通じ、言説からたちあげられる「わたしたち」の意識を問う。
目次
序 章 性暴力をめぐる語りを分析する
1 被害者と加害者はどう語られてきたか
2 語りの四タイプ─性暴力をめぐる語りの分析図式
3 加害者と被害者の組み合わせから何がみえるか
4 語りの複層性を読みとく
第一章 〈真の性暴力〉とその語り──加害者の他者化と被害者非難の消去
1 沖縄アメリカ兵少女強姦事件
2 奈良女児殺人事件
3 広島女児殺人事件
4 特急サンダーバード号強姦事件
5 マスター・ナラティヴの規定力と被害者非難の消去
6 少女が殺人かつ性暴力の被害者となった事件にみられる特徴:ジェンダーの消去
第二章 被害者非難はどのように生まれるのか──〈真の性暴力〉五条件と語りのゆらぎ
1 帝京大学ラグビー部集団強姦事件
2 スーパーフリー事件
3 京都大学アメフト部集団強姦事件
4 東大事件・慶大事件・千葉大事件
5 被害者非難はどのように生まれるのか
6 性暴力被害のあいだの序列
第三章 性暴力をめぐる語りから立ちあげられる「わたしたち」
1 被害者と加害者の語られ方─ラベリングされる側の分析
2 性暴力から距離をとる「わたしたち」─ラベリングする側の分析
第四章 性暴力をめぐる語りと「性の二重基準」
1 女性の二分化─「性の二重基準」の女性への適用
2 支配の維持・再生産─「性の二重基準」の男性への適用
3 「性の二重基準」がもたらすもの
終 章 加害を生まないために
1 「わたしたち」を問うこと
2 さらなる研究の発展に向けて
3 加害を生まないために
あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しじま・炎のラニーナchang
たろーたん
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