内容説明
〈自分を大事にしないと、誰かを大切にすることはできない〉
日々の暮らしのこと、これからやりたいこと、大切な思い出、人。
50代を迎えた著者が、楽しく生きるコツを考えるエッセイ集。
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家族は大切で、家族と過ごす時間は何より楽しい。
でも、自分を大切にすることを一番にして、これからは生きていきたい。
──さあ、楽しくやろう。
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【目次】
■Ⅰ……家族のことをがんばらない
■Ⅱ……暮らしを穏やかにする
■Ⅲ……なつかしい人と味
■あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
167
ドキリとするタイトルだが、想像したのとは違うのだ。そうだ、村井さんは幸せなのだ(笑)書き下ろし含め30編とあとがき。一番うんうんと共感したのは『子離れと嫉妬』だ。夫に「寂しいんだろ。」って、言われたあの日(大学入学で自宅を離れた15年前)の事が昨日のことのように思い出される・・2023/06/12
ネギっ子gen
80
【これからどんな生活が待ち構えているのか私には見当もつかないが、きっとどうにかなるものだと思う。自分自身を大切にするのを忘れない限りは】 「読まれないプロ」を自認する50代の著者が、自らの思いを正直に綴ったエッセイ。<子供はなにより大事な存在だけれど、それと同じぐらい、自分も大事だという気持ちは決して間違いではないと思う。私は今まで、二人の息子たちを無事育てたいと思うあまり自分を犠牲にし続け、それを愛情の証だと勘違いしていた。それが原因のひとつとなって、大きく体調を崩し、あやうくすべてを失いかけた>と。⇒2023/03/23
とよぽん
69
期待通りの素敵なエッセイだった。双子の男の子を育てる日々、翻訳家でありエッセイストである村井さんの直球本音が語られている。自分の心身を大切に、というメッセージが優しくて切実。今回一番よかったのが「『母親になって後悔してる』についての文章。社会が暗黙のうちに要求する「母親」のあり方と役割、これは個人や家族の問題ではなく、社会の問題だと改めて思う。2023/04/11
レモングラス
63
翻訳家でエッセイストの村井理子さんが、必要以上に頑張りすぎていたことに気づいたのは、心臓弁膜症手術をして半年が経過した頃だった。自分の時間の多くを家族のために捧げ、家の中のことが万事うまくいくように努力を重ね、家族の幸せが自分の幸せだと思い、それが自分自身を削る行為だったことに全く気づかないままで、しばらくの間、心不全になっていたことにも気づかず、倒れた日も夕食の買い物に。とうとう体は動かなくなった。育児疲れで、夫が真っ青になるほど感情を爆発させた日もあったという。自分を大切にすることを一番に、とある。2023/04/12
Karl Heintz Schneider
61
「家族は大切、でもこれからは、自分を大切にすることを一番にして生きてみたい。」それまで、自分を犠牲にして家族のために尽くしてきた著者は大病して自分がいなくても家庭が回っていることを知り自分の考えが間違っていたことを痛感する。「誰かを幸せにするためには、まず自分が幸せでなければならない。」それに気づいてから著者は上手に手抜きをしながら自分のために時間を作り自分を一番大切にしているという。タイトルにあるように早く一人になりたいとは思うが。私が一人になりたいと思えるのは家族がいずれ戻ってくることを知ってるから。2023/04/02